出版社内容情報
注目された前著『視界良好』刊行後10年。主に盲ろう通訳として活動してきた著者が,事物や他者とのコミュニケーションを通じて「見ること」をいかに獲得し良好にしてきたかを記述した第?部。続く第?部で,現在の自分を見つめ直しつつ,人とのつながり,自身の就活,社会問題等その解決の方向について抱いている思いを綴る。
◆著者からのメッセージ
ひとりひとりの視点を補っていくと、
その先にはなにがあるのだろう。
すべてを見たい、もっと見たい…。
それぞれの「目」を合わせれば、
「見え」はより進化していくのかもしれない。
【好評既刊】
『視界良好:先天性全盲の私が生活している世界』(河野泰弘/著)
▼聞く・触れる・嗅ぐことで「見る」世界,そこでの暮らしを柔らかに語る。
http://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784762825620
◆主な目次
まえがき
第?部
1章 “見ること”とそれを広げること
2章 生活経験から知っていく
3章 生活の中の実感
4章 納得したい、もっと理解したいという気持ち
5章 生きる世界が拡がる:自由な想像の世界へ
●私の描く未来――――――――――――――――――ロング・コラム1
第?部
6章 自分の気持ちを見つめる
7章 さらに、自分の気持ちを見つめる
8章 自分の可能性を探る
9章 私のこれから、世界のこれから
●近未来へ:私の就活展望―――――――――――――ロング・コラム2
あとがき
まえがき
第?部
1章 “見ること”とそれを広げること
自然な「振る舞い」って?/自然に「ものを見る」って?/「ものの違い」を知っていく/直接触れられないものを知っていく/動くものに手で触れる…
2章 生活経験から知っていく
レストランでの食事/身だしなみとおしゃれ/生活にとっての目印/表と裏/晴眼者と違うこと、だいたい同じこと
3章 生活の中の実感
トイレで…/概念の実感/疲れ目の実感/からだの疲れへの対処法/弓を引くということ/「コツをつかむ」という実感
4章 納得したい、もっと理解したいという気持ち
頭の中に地図を描く/一人ひとりの見え方/視点があるということ/焦点から“視点”を理解するということ/点字の世界、墨字の世界…/納得して理解したい…/自動車もいつか運転してみたい!
5章 生きる世界が拡がる:自由な想像の世界へ
そばにいる人の合図から…/世界を深く感じる…/私にとってのイメージ/モノと語らう/恐怖について/緊張について/“ない”からこそあり得ることも…/感覚の拡がりのために…
私の描く未来――――――――――――――――――ロング・コラム1
自分の目が見えるようになる…/未来のスマホ?/未来の自然体験ツアー?
第?部
6章 自分の気持ちを見つめる
人前での緊張と安心感/言いにくい、聞きにくいことのやりとり/個性と安心感、楽しさ/「暗い話題」と私/共感と引き込まれること/自分を奮い立たせる
7章 さらに、自分の気持ちを見つめる
私はどうして「さびしい感じ…」になる?/さびしい感じ、新しい「楽しい」感じ…/「違い」を見て感じて幸せに触れる/夢は何層にも重ねて
8章 自分の可能性を探る
まずはとことん成りきることから…/「あとよろしく…」から「このあと、どうする?」/こんなに持っていていいのだろうか…/ヒントはあちらこちらに/いつかきっと…
9章 私のこれから、世界のこれから
限界? それとも…/つながっていること/大震災のあと…/「うまくいく」という思いを乗せて…/文化、価値観、生きるということ/もう一つの窓
近未来へ:私の就活展望―――――――――――――ロング・コラム2
「こんな仕事もあるんだ」/自分でもできそうな「会社の仕事」/企業説明会で…/近い未来に向けてできそうなこと
あとがき
河野 泰弘[コウノ ヤスヒロ]
河野 泰弘(こうの・やすひろ)
1980年 アメリカ・カリフォルニア州に生まれる。生まれた時から全盲(両眼)。3歳の時,家族とともに日本に帰国。小学校?高校まで統合教育を受け,普通学校で学ぶ。
2003年 中央大学法学部を卒業後,同大学文学部に学士入学。
2006年 中央大学文学部を卒業。卒業後,盲ろう者向けの通訳者・介助者としての活動を行なってきた。同時に,東京都内複数の小・中学校での講演活動,授業アシスタントの活動も続けている。
10歳代後半から視覚特別支援学校や公共施設をはじめ,さまざまな場所で講演活動も行なってきた。その中で,都内FM局、コミュニティ局のラジオ番組への出演を経験する。2009年1月4日「天声人語」(朝日新聞)での拙著紹介などをきっかけに,大学などにも活動の場を広げた。2013年12月には「聞いて聞かせて」(NHKラジオ第2)にも出演した。
著 書『視界良好 全盲の私が生活している世界』(北大路書房,2007年,単著)
『ディスコミュニケーションの心理学』(東京大学出版会,2011年,分担執筆)
目次
第1部(“見ること”とそれを広げること;生活経験から知っていく;生活の中の実感;納得したい、もっと理解したいという気持ち;生きる世界が拡がる:自由な想像の世界へ)
第2部(自分の気持ちを見つめる;さらに、自分の気持ちを見つめる;自分の可能性を探る;私のこれから、世界のこれから)
著者等紹介
河野泰弘[コウノヤスヒロ]
1980年アメリカ・カリフォルニア州に生まれる。生まれた時から全盲(両眼)。現地で視覚障害児向けの幼稚園に通い、学ぶ。1983年3歳で、家族とともに帰国。日本の保育園、視覚特別支援学校(盲学校)で学んだ。小学校~高校まで総合教育を受け、普通学校で学ぶ。2003年中央大学法学部を卒業後、同大学文学部に学士入学する。2006年中央大学文学部教育学科心理学コースを卒業。卒業後は、盲ろう者向けの通訳者・介助者としての活動を行なってきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。