内容説明
本書は、小学校の国語の授業を題材にして子どもたちの学習―ここでは国語の教材の読解ということになるが―の過程を縦糸に、教室の子どもたちのあいだで繰り広げられる対話と相互作用の過程を横糸にして、その2つの織り合わせとして授業というもの、そして教室の中の学びというものを考察したものである。本書では、学習者の主体的な理解活動や知識構成の過程に焦点をあてながら、同時に学習はまさに社会的な過程であるという社会的構成主義の立場から、個々人の理解や知識が、いかに対話と社会的相互作用のなかでその影響を受けながら形成されるかを明らかにしていくことがめざされた。
目次
序章 心理学からの授業研究:その課題
1章 いま、子どもたちの「学びの力」として求められるものは
2章 認知心理学と教科学習
3章 読者の主体的な読みと対話
4章 対話と協同的学習―社会的構成主義のアプローチ
5章 子どもたちは文学教材をどのように読み進めているか―文学教材『ごんぎつね』の読解過程
6章 教室における子どもたちの対話と協同的学習
7章 子どもたちの対話とその対話を方向づけているもの