内容説明
道徳教育の充実が叫ばれながらも、学校現場では必ずしも効果的に授業実践が行なわれていると言いがたいのが現状であろう。この現況の打開に応えてくれる理論として、世界的に今最も熱い視線を浴びているのが故コールバーグ博士の道徳的認知発達理論である。本書では、最初を〈理論編〉とし、このコールバーグ理論が現代の道徳教育において果たす役割とは何か、それはどのような理論か、それは道徳性をどのようにとらえているか、などについて紹介する。二番目は〈実践編〉とし、道徳性発達研究会の実践研究を踏まえて、それらの一部をここでは小学校低・中・高学年、中学生に分けて、具体的に取り上げ紹介する。最後に〈資料編〉として、われわれが作成したモラルジレンマ資料を一括して載せることとした。
目次
理論編(現代の道徳教育とコールバーグ理論;道徳性の発達に関するコールバーグ理論;授業モデルと教師の発問;モラルジレンマ物語の作成と方法;道徳性の測定の方法;授業分析の方法)
実践編(小学校低学年における実践;小学校中学年における実践;小学校高学年における実践;「どっちにしようか」に基づく小学校全学年での実践;中学校における実践)
資料編(モラルジレンマ資料集;われわれの研究の歩み―文献一覧)