目次
第1章 指導方針を見直さない学校は“荒れ”を止められない(荒れた生徒ばかりに取り組む学校;「壁」のない学校;「腐ったリンゴ」を取り除こうとする学校 ほか)
第2章 経験だけに頼る指導部は“荒れ”を拡大させる(「指導の二重構図」を生む方針の指導部;3年間の見通しがもてない指導部;抽象的目標しか立てない指導部 ほか)
第3章 力量を磨かない担任は“荒れ”の兆しを見逃す(「荒れのメッセージ」に気づかない担任;「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」担任;生徒の行動を観察しない担任 ほか)
著者等紹介
吉田順[ヨシダジュン]
1950年北海道別海町生まれ。37年間横浜市内の公立小中学校に勤務。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任。平成23年3月定年退職。平成元年より「生徒指導」ネットワークを主宰。現在、「生徒指導コンサルタント」として全国の「荒れる学校」と関わる。「非行・問題行動」「荒れる学校」「学級経営」などをテーマとして、講演・教育相談・著述などの活動をしている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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香菜子(かなこ・Kanako)
30
荒れには必ずルールがある―間違った生徒指導が荒れる学校をつくる。吉田順先生の著書。荒れる学校、荒れる生徒ができてしまう背景には、無責任な家庭と無責任な学校、無責任な保護者と無責任な教師がいる。吉田順先生のような実績と経験、熱意と信念のある教育者がもっと増えれば日本の教育環境ももっと良くなるはず。2019/01/13
Gatsby
6
書いてあることすべてに賛同できるかというと、もちろんそうではないが、自分の経験上、ほとんどのことは正しいし、適切なアドバイスがされているように思う。特に問題のある生徒ばかりに労力を割くのではなく、どちらにでも転ぶ中間層をいかに大事に指導するかがポイントであること、その通りだと思う。問題行動をする生徒よりも、真面目にそして適切なふるまいをする生徒の方が圧倒的に多いわけで、そういう生徒をしっかりと評価せずに、問題行動を繰り返す生徒だけに注視していては、中間層の生徒にそっぽを向かれるだけである。2014/05/21
おサゲっち
5
これまでの実践を思想的理論的に補強してもらった感じ。現場の最前線で実践している人にとっては当たり前。ただ、経験の少ない教員にとってはバイブルとなり得る。2021/07/04
ぴーたん
4
中学校・高校教員向けの本。著者は、生徒指導コンサルタントとして200校を超える学校を見てきました。教員の「限りある労力」をどこに使うか。エネルギーはできるだけ「中間的集団に使うべきである。」中間的集団は、周囲の状況次第で真面目な生徒、逸脱した生徒、どっちにでもなりうる最も人数が多い集団。この中間的集団が逸脱した生徒の集団につくことによって、さらに大きく荒れて行く。問題行動の指導はそこそこに、中間的生徒を中心に全ての生徒がイキイキと学校生活を送れるよう支援したいものです。2014/05/01
Tsuku
3
中間層に最も力を入れるべきで、中間層に最もやる気を無くさせる指導姿勢は「DQNには甘いくせに俺たちには厳しい」という姿勢。この部分には非常に共感できた。2014/09/21