内容説明
おでん、見世物、甘酒売りなどで賑わう浅草奥山。侠客を気取る為五郎は露天売りをしている。気はいいが、その日暮らしの瘋癲で、息子の清吉とふたり住まい。その長屋に、お北と名乗る女が越してきた。謎めいて美しいお北に、一目で恋をしてしまった為五郎。なにやら、波乱の予感が―。その頃、巷では子どもの拐かしが続いていた。どの子も目隠しで武家屋敷に連れられ、数日の後に疵ひとつなく帰されたという。新米目付の百太郎は、兄・千之介、悪友のねずみ小僧らと探索を始めることに。書き下ろし長篇。
著者等紹介
和久田正明[ワクダマサアキ]
1945年静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を数多く手がけた後、現在では時代小説の執筆に専念している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
128
髪結の亭主「子別れ橋」5巻。為五郎と清吉親子が主役?かと思うほど千之介さんの派手な出番は無かったのでは、次郎吉こと鼠小僧もドジを踏みで、百太郎さんも相変わらず、無事事件が解決し収まる所に収まり何より何よりか。2016/05/17
デジ姫
5
結構毛だらけ猫灰だらけ、見上げたもんだよ屋根屋のふんどし。と威勢の良い啖呵売に釣られたかのように一気に読んでしまいました。今回は為五郎親子が主役の話でいつもの登場者は脇役に回ったような・・親子の別れにはなったものの為さんには妙に気の合う次郎吉、大家のお妻が押しかけ女房になり気持ち良い終わり方にホッ。 2016/04/24
定年おやじ
2
今度は子さらいのお話から。そして最後はお家騒動も解決してめでたしめでたし。2020/02/22
かずくん
2
風祭仙之介の話し第5話。独身の為五郎の子の清吉は殿様の子供だった。殿様の子供探しと為五郎の話し。2019/02/02
らいしょらいしょ
2
気まぐれに手にとった一冊。シリーズものだったのか。なんだろう…捕物であり、人情ものであり、お家騒動であり。旗本の兄弟と髪結の嫁さん、長屋の面々。これだけそろってるのに、いまいち盛り上がれなかった。啖呵売は結構だけど、どうもなんだか薄っぺらい。こんなものかねえ… ただ、子供をまわりのみんなで育てるってえ下町の気質は、今じゃあ羨ましいってぐれえのもんだぜ。と、締めておく。2018/07/04