内容説明
長野県の少年野球大会決勝戦、旧戸隠村チームのエース健太は完全試合達成寸前だった。だが、捕手駿介のミスで大記録を逃し、激しく仲間をなじった。健太の態度に怒ったコーチの寺尾は、投手に渡されるべきウイニングボールを遠くへ投げ捨て、父の繁は観衆の前で息子を平手打ちにした。その出来事で、健太の心は激しく歪み、両親を憎んだ。十数年後―恋愛小説家として人気絶頂の健太に警察から連絡が入った。元恋人の沙織が冬の北アルプスで、あのウイニングボールを持って凍死したのだ。
著者等紹介
吉村達也[ヨシムラタツヤ]
1952年、東京生れ。一橋大学商学部卒。ニッポン放送のディレクター、扶桑社の書籍編集長を経て、1990年より専業作家に。推理小説とホラーを中心に独自の企画性に富む作品を続々発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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