出版社内容情報
江戸時代に生きた人々の過去への思いや歴史観を伝える19編。正倉院宝物盗難事件や、法隆寺での聖徳太子画像の利用などを収録。【江戸時代に生きた人々の過去への思いや歴史観を伝える19編】
【現在の歴史研究では見過ごされがちな史料から、歴史探索のおもしろさを味わう】
市中に埋もれている近世の史料を博捜し、読み込むことによって、これまでの研究では触れられてこなかった新たな事実が判明する。正倉院宝物に対する人々の関心の高さや、法隆寺での聖徳太子画像の利用、さらには「文化財」をめぐる情報の伝わり方など、近世の人々の過去に対する思いや歴史観が伝わってくる。本書によって新史料を見出し、これによって過去の事実を明らかにしていく歴史探索の面白さを味わっていただきたい。
? 新たな史料から見える世界
1 新たに確認された摂津国風土記逸文
2 四天王寺蔵 大和国牒をめぐって
3 覚峰著『難波津宮并大郡小郡考』について
4 難波往古図の背景
5 摂津国百済郡の記憶
6 摂津国榎津寺をめぐる新史料
? 正倉院宝物をめぐって
1 大阪府立中之島図書館蔵『正倉院文書印踏集』
2 蘭奢待の截香者
3 正倉院宝物盗難事件に関する新史料
4 元禄時代の文化と情報
5 正倉院宝物と忠臣蔵
? 聖徳太子と法隆寺の周辺
1 唐本御影の果たした役割
2 聖徳太子墓の新史料
3 法隆寺開帳に関する新史料
? モノをとりまく情報
1 金石文研究史の一齣
2 『那須湯津上碑』に見る蒹葭堂の研究姿勢
3 石上神宮鉄盾観察記
4 石川年足墓誌の発見と情報の伝播
5 天平韋が語る新たな歴史像
あとがき
伊藤 純[イトウ ジュン]
1956年 東京亀有生まれ
1975年 埼玉県立春日部高等学校卒業
1980年 大阪市立大学 2部文学部卒業
1982年 (財)大阪市文化財協会 調査員
1997年 大阪市教育委員会 文化財保護課
2005年 大阪歴史博物館
内容説明
未紹介の摂津国風土記逸文/織田信長、徳川家康…正倉院に伝わる香木「蘭奢待」を截った人物/正倉院宝物盗難事件/法隆寺での聖徳太子画像の利用/諸葛琴台、木村蒹葭堂…学者たちの研究姿勢・ネットワーク/熊本・八代地方の名産品、天平韋と藤原広嗣の関係ほか―江戸時代に生きた人々の過去への思いや歴史観を伝える19編。
目次
1 新たな史料から見える世界(新たに確認された摂津国風土記逸文;四天王寺蔵 大和国牒をめぐって ほか)
2 正倉院宝物をめぐって(大阪府立中之島図書館蔵『正倉院文書印踏集』;蘭奢待の截香者 ほか)
3 聖徳太子と法隆寺の周辺(唐本御影の果たした役割;聖徳太子墓の新史料 ほか)
4 モノをとりまく情報(金石文研究史の一齣;『那須湯津上碑』に見る蒹葭堂の研究姿勢 ほか)
著者等紹介
伊藤純[イトウジュン]
1956年東京亀有生まれ。1975年埼玉県立春日部高等学校卒業。1980年大阪市立大学2部文学部卒業。1982年(財)大阪市文化財協会調査員。1997年大阪市教育委員会文化財保護課。2005年大阪歴史博物館。2017年定年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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