フェデリコ・バロッチとカップチーノ会 - 慈愛の薔薇と祈りのヴィジョン

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フェデリコ・バロッチとカップチーノ会 - 慈愛の薔薇と祈りのヴィジョン

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  • サイズ A5判/ページ数 638p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784756606907
  • Cコード C0071

出版社内容情報

マニエリスムからバロックへの激動期に、高い完成度と芸術性を誇る優美な画風によって敬虔な信仰心の表明をおこなったフェデリコ・バロッチ。一五六〇年代には神の恩寵としての「慈愛の薔薇」を、一五七〇年代以降はその恩寵を願い求めるための「祈りへの誘ない」を、一五八〇年代以降は恩寵の受け手としての「素朴な観衆」を、一五九〇年代以降は恩寵の源たる神を直接めざす「法悦の視線」を、バロッチは集中的に描いている。 本書は、一六世紀に誕生したカップチーノ修道会への画家の帰依の感情を出発点として、バロッチの精神の行程を、主要作品の図像上の意味解釈によって再構成し、対抗宗教改革期の時代精神の中に位置づけた渾身の力作であり、わが国の研究者が生んだ世界的水準の研究成果である。

緒 言
第1章 バロッチの生涯と作品
第2章 バロッチの絵画技法と制作過程
1 ベッローリの記述に見るバロッチの制作過程
2 実作品に見るバロッチの制作過程――セニガッリアの《キリスト埋葬》の場合
3 バロッチの色彩習作とその歴史的位置
4 バロッチと「自然模倣」
5 ヴィンチェンツォ・ダンティの理論とバロッチ
6 バロッチの「勤勉」をめぐって
第3章 バロッチをめぐる委嘱主とその思想
1 「敬虔」な画家としてのバロッチ
2 修道会からの作品委嘱
3 ウルビーノ公家とフランチェスコ会系諸修道会
4 フランチェスコ・マリア・デッラ・ローヴェレ二世
5 ジュリオ・デッラ・ローヴェレ枢機卿
6 ふたたびバロッチに帰って
第4章 創設期カップチーノ会の歴史と理念
1 カップチーノ会前史 ─コンヴェンツアル派と会則厳守派─
2 カップチーノ会の会則厳守派からの独立
3 カップチーノ会と建築
4 カップチーノ会の修道衣とプリミティヴ絵画の重要性
5 カップチーノ会と神学研究
第5章 バロッチとカップチーノ会 ─一五六〇年代の諸作を中心に─
1 カップチーノ会への奉納画――《聖母子を礼拝する福音書記者ヨハネ》
2 聖母子と薔薇の図像学
3 ボナヴェントゥーラに基づく「慈愛の薔薇」の解釈とその後の作品群
第6章 《マドンナ・デル・ポポロ》――五七〇年代の代表作
1 「慈悲の聖母同信会」との契約
2 往復書簡に見る制作の遅れ
3 チャッツワース清書素描と完成作との比較
第7章 《マドンナ・デル・ポポロ》の委嘱主――アレッツォの「慈悲の聖母同信会」
1 同信会の歴史と活動
2 同信会の芸術的パトロネージ―― 「慈悲の聖母」の図像伝統とその終焉
第8章 執り成しの図像史
1 執り成しの図像と一六世紀におけるその発展
2 「アッシジの贖宥」の図像伝統
第9章 慈愛の図像伝統
1 単独寓意像としての「慈愛」図像―― 二つの「慈愛」の概念とその表象
2 宗教図像の中の母子群像と「慈愛」の表象
第10章 祈りへの誘いとしての新図像の成立
1 マッティア・ダ・サローの『心の祈りの実践』
2 バロッチの描く祈祷の図像――《聖痕印刻》と《アッシジの贖宥》
3 祈りへの誘いとしての《マドンナ・デル・ポポロ》――マッティア・ダ・サローの著作に基づく新解釈
第11章 オラトリオ会との新たな絆――五八〇年代以後の諸作を中心に
1 《訪問》とその委嘱の経緯
2 「訪問」と侍女のモチーフ
3 一五八〇─九〇年代の諸作に共通する羊飼いのモチーフ
4 カップチーノ会とオラトリオ会の接点
5 ふたたびバロッチの諸作品に帰って
第12章 法悦の図像とその展開――一五九〇─一六〇〇年代の諸作を中心に
1 観想の眼差しとその図像伝統
2 バロッチにおける法悦と観想の主題
結 論
解 題 カップチーノ会との関連におけるバロッチ研究史

後 記
文献一覧
索 引

感想・レビュー

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arte

1
マニエリスムからバロックへと移行していく激動の時代に、ウルビーノという都市でゆっくりだが確実に制作した画家フェデリコ・バロッチの、土地と信仰に深く根ざした肖像を浮き彫りにする。パトロン家であるウルビーノ公デッラ・ローヴェレ家、バロッチの信仰のよりどころとして存在感を放つフランチェスコ会について丁寧に追った後には、「慈愛」に焦点を当てた作品論が展開される。そこからはパトロンと画家、注文主と職人という16世期絵画研究において強調されがちなドライな関係を超えた、画家自身の研究の痕跡が見えてくる。良書。2014/02/09

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