内容説明
イスラーム圏にありながら政教分離を徹底し、東西文明の分岐点とよばれるトルコ。近年はEUへの加盟が難航するとともに、国内で宗教勢力が台頭し、歴史的転換のときを迎えている。ヨーロッパのイスラームへの眼差しを踏まえつつ、この国のゆくえを模索する。
目次
トルコ、東西文明のはざまより
1 イスラームとトルコ(歴史の転換点を迎えたトルコ;世俗主義の崩壊?―トルコ情勢のいまを読む;PKK問題はいかにして世界に波及したか)
2 トルコとヨーロッパ(憧憬と蹉跌―それでもEU正式加盟をめざすトルコ;疎外と内向―EU拡大・統合路線の限界とトルコ加盟;ドイツのトルコ人―線引きする側とされる側)
3 ヨーロッパとイスラーム(ドイツにおけるスカーフ論争;創られたイスラーム像―ムハンマド風刺画問題とは何であったか;多文化主義の実像―ムスリムをめぐる四つの物語)
トルコはこれからどこへゆくのか
著者等紹介
内藤正典[ナイトウマサノリ]
1956年生まれ。東京大学教養学部教養学科卒業。同大学院理学系研究科地理学専攻博士課程中退。東京大学助手、一橋大学講師、助教授を経て、1997年より一橋大学大学院社会学研究科地球社会研究専攻教授。社会学博士。この間、1981‐83年、ダマスカス大学文学部客員研究員、1990‐92年、アンカラ大学政治学部客員研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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可兒
2
読み直し。アタテュルク主義って何なのか、トルコのイスラームって何なのか。叫ぶ割に誰もわかっていないし、それを踏まえてなお叫んでる人が多いように思う2010/06/05
とーさん
0
EU加盟などあくまで西洋(と言うよりキリスト教社会)の偏った見方等を知りました。 長い歴史とそしてそこに住む人々には越えられない高い高い壁があることが分かる。 学生のフィールドワークとして本当に貴重な体験が出来たことだと思えます。 日本は混迷するこんな世界とどのように関わっていくのか。2013/01/26
牛タン
0
トルコ留学を考えているときにふと手に取った本。トルコの社会情勢もイスラムのこともほとんど知識がなかったが、分かりやすかった。宗教的な話題を中心に多面的にトルコの情勢を分析している2012/08/25
kenken
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大きな岐路にたつ現代トルコの入門書として最適。ヨーロッパに興味を持つ人にも手にとってもらいたい。個人的には大学生の巻き込み方の参考にもなる。ちょっと値段が高すぎるのが玉に瑕2011/01/28
メルセ・ひすい
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10. 08 ん・・ 今イチ か2 ビンラディンを含め あまりにも女性と性を意識しすぎる。家の中に飾っておくものなの?? 政教分離の国と言うが・・ 米国はどうなの アーメンですか?? アダムとイブと恐竜と一緒で・・何とかランドへマジで見学。 基督の悪口言うと 消されるとか。 イスラーム圏にありながら政教分離を徹底し、東西文明の分岐点とよばれるトルコ。ヨーロッパのイスラームへの眼差しを踏まえつつ、難航するEUへの加盟、宗教勢力の台頭など、歴史的転換の時を迎えるトルコの行方を模索する。2008/05/26