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歴史文化ライブラリー
老人と子供の考古学

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  • サイズ B6判/ページ数 264p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784642057806
  • NDC分類 210.2
  • Cコード C0320

出版社内容情報

墓からは、埋葬当時の社会や精神文化を知る上で欠かせない重要な考古学的情報を引き出すことができる。平均寿命の短い縄文時代に尊敬の対象となる「老人」はいたのか。子供たちの社会的位置はどうだったのか。豊富な人骨出土事例から

内容説明

縄文時代に、尊敬すべき「老人」はいたのか。子供たちはどのような社会的位置にあったのか。豊富な人骨出土事例から、縄文社会の実態に迫る。墓制から古くより現代にまでつながる思想である縄文的死生観を考える。

目次

保美貝塚の調査―プロローグ
なぜ墓を研究するのか?(考古学とは何か;墓の考古学;縄文時代の墓をどう捉えるか;墓から判ること)
縄文の子供たちと家族(子供の誕生;子供たちの成長;イヌと子供たち)
「老人」の考古学(縄文時代の「老人」とは?;高齢者たちの墓;見えてこない「老人」像)
縄文階層化社会と「老人」と子供(縄文社会はどう見られてきたか;縄文社会の理解と民族誌;縄文時代は階層化していたのか?)
縄文時代の死生観―エピローグ

著者等紹介

山田康弘[ヤマダヤスヒロ]
1967年、東京都に生まれる。1994年、筑波大学大学院博士課程歴史人類学研究科中退、博士(文学)。熊本大学文学部助手、土井ケ浜遺跡・人類学ミュージアム学芸員、島根大学法文学部准教授、同大教授を経て、国立歴史民俗博物館准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

小鈴

24
面白いテーマなのでもっとくだけた感じで書いてあった方が読みやすかったが吉川弘文館なので仕方ないか。「老人」について考えることは社会の階層化を考えることに繋がる。老人の墓への扱いが一つの指標となるという見方は、言われたらその通りなのだが目から鱗。私有財産の発達、つまり遺産を分ける立場にあるのが老人の権力の源泉で、それがあって始めて大切にされる。しかし、縄文時代の老人の墓の装飾を見る限り熟年より粗末であり、老人に重きをおいてない社会の可能性がある。縄文時代は決してユートピアではないだろう。2018/11/19

びっぐすとん

17
図書館本。墓といっても後世の墓と違い、一見分かりづらかったり、意図のはっきりしない部分も多い縄文時代。子供と妊産婦の埋葬については一定のルールがあったようだ。形見か護符か判らないが親子の死別を表す、小さな子供の手形、足形は見ていて辛い。意外なのは老人があまり大切にされていなかったこと。智慧袋というより採集民にはむしろお荷物だったというのが驚き。働けない人を養えるほど豊かではなかったということかな。縄文時代のイヌに関する部分も興味深い。野良イヌや食用もいたみたいだけど、飼いイヌは名前とかあったのかな。2019/11/24

翠埜もぐら

16
佐原真氏と小林達雄氏の「世界史のなかの縄文」を読んだ時も、細かい用語の使い方で白熱の議論をされていて驚いたのですが、今作でも「子供」「老人」の「縄文時代」での定義に重点が置かれていて、対象となるものを正確に表すことから一歩が始まるといった感じでした。また一度埋葬された骨を再度集めて埋葬し直す形態があるそうで、関係のない家族同士を何らかの理由で再編成する時に、それらの家族の骨を一ヶ所にまとめ直すことで「集団構造を血縁関係に基づくものから地縁関係へ基づくものへと再構成する」と言う考察は面白かったです。2022/09/18

s.k

4
人骨出土事例から老人・子供の社会的役割を考察し、縄文社会の実態に迫る。先史時代において考古学的視点の果たす役割は大きいが、地下から発掘される遺物の分析から当時の社会の有り様や死生観まで考えを深めていくのは大変な研究分野だと痛感する。本著においては用いられる言葉の定義付けから丹念に解説がされており、私のような素人読者への配慮を感じた。資料写真はモノクロなものの人骨オンパレードなため、その類いの画が苦手な方にはお薦めできないが、内容的には興味深いものだった。2016/11/02

ナオ

3
縄文社会は意外に老人に冷淡。図の凡例が抜けていたり、少し校正ミスが目に付きました。2014/07/06

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