出版社内容情報
都市史を「日常のなかに潜む危機」という視座から捉え直す、建築史分野の研究者による16論考。空間の実態と人々の認識を解明する。
内容説明
都市は危機を繰り返し経験し、また共存しながら歴史を刻んできた。災害・人口減少が迫る現在、都市の歴史を「日常のなかに潜む危機」という視座から捉え直す。建築史分野の研究者による、日本・世界の各地域・時代を題材とした16論考を収録。空間の実態と人々の認識を通して、変動と定常の間で培われてきた都市空間の歴史的個性と経験知に迫る。
目次
都市の危機とは何か
第1部 危機と都市の定常性(大火と武家地―明暦の大火再考;震災と不燃化―関東大震災からの復興と東京の建築;温泉町と源泉枯渇―近代加賀山代温泉を事例として ほか)
第2部 都市アイデンティティと危機(防御施設と共同体―中近世移行期京都における権門寺社の構と地域社会;天皇・院の崩御と町―光格院葬送時における三井家の動向;火災復旧と維持管理―近世江戸の鳶人足と都市空間の定常性 ほか)
第3部 都市アイデンティティの継承(内裏焼亡と移転―平安宮内裏の火災と再生;災害と仮設建築―関東大震災後のバラックと住宅困窮者;城塞都市の平和―ソアヴェにおける空地と居住 ほか)
都市史からみた危機/危機からみた都市史