大久保利謙歴史著作集 〈3〉 華族制の創出

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大久保利謙歴史著作集 〈3〉 華族制の創出

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  • サイズ A5判/ページ数 627,/高さ 23cm
  • 商品コード 9784642035934
  • NDC分類 210.6
  • Cコード C3321

内容説明

華族は明治政府の発足に当って旧特権層の公卿大名の処遇のため特設したものであるが、やがて天皇制体制の創設となると、この華族を改組して、新政府創設の功労者を加えた新貴族制の創出となった。本巻にはこの新しい貴族制としての華族制の成立を主として政治過程の面から追求し、これによって明治立憲制確立の重要側面を明らかにしようとした。

目次

序章 日本における貴族制の回顧
1 王政復古新政と華族の設置
2 華族(公卿・諸侯)の結集と解体
3 天皇制華族の制度としての政立
終章 「華族令」と新華族制
付録(木戸孝允と華族;麝香間祗候会議と華族;初期華族および華族制関係年表―憲法公布、貴族院開院まで;初期華族および華族会館関係資料目録)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中将(予備役)

1
明治維新から明治17年華族令の間に、華族制度がどのようなものとして創設され、変化したかを論じた論文。王政復古による摂関制廃止後、大名と公家が同列に天皇の華族として制度化され、士族の扱いが絡んで旧来の家柄の特権か市民中の族籍の制度かという対立軸が生まれ、岩倉死後伊藤が後者の勲功・個人本位の制度を定めるに至る。華族令制定は議会開設準備と受け取られたようだ。史料引用が豊富。華族制度のその後を、「新授爵の社会的・政治的意義も低下して」「自然廃止に至った」と書いている(466頁)のは、大久保侯の実感か。2023/07/31

秋津

0
士族をどう取り扱うかといった「範囲」の問題、皇室の藩屏や上院議員といった華族に付与・期待される「役割」の問題、それらを踏まえた華族令制定前後での華族の性格の違いなどを考察した「華族制度研究の到達点」(近現代史研究会書評会より)。華族を取り巻く族、勲功、爵、位階といったものをそれぞれ可能な限り個別に見ていかないと華族の実態把握は難しいなと。以前「本書では天皇の意思についておそらく意図的に触れなかったのでは?」との指摘を聞いたことがありますが、それを踏まえて読んでみると確かに不思議な感じ。2017/07/23

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