感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
トキ
1
堀江英一はマルクス=レーニンに基づいた産業資本の分析を終えた後、彼らと同じように生きた現実から理論を生み出すことを考える。彼は諸論文によって工場類型や諸工場の垂直的結合を発表しつつ、産業資本の時代と独占資本の時代を画するものは流通部面ではなく生産部面であり、工場見学を繰り返して表象を得ることで理論に仕上げていく。本著第三版1979年は、前述の諸論文と並行し、抽象と叙述を行うことで見取り図が示されている。生産部面、生産構造、生産力、(生産関係)に重点を置いた彼の方向は今日においても有益な示唆を与えるだろう。2023/03/07