内容説明
東南アジアの地域と時代により様々な様相をみせる耳飾―〓状耳飾/四つの突起を持つ〓状耳飾/三つの突起を持つ〓状耳飾/双獣頭形耳飾。その形態・時空間分布・編年・製作技術・製作体系・素材選択の分析を通して先史時代海域ネットワークの成立と展開を解明し、当地における人間活動の動態を浮き彫りにする。
目次
序章
1 研究史
2 南シナ海周辺地域の地誌と歴史的背景
3 対象資料と年代観
4 耳飾の形態分類と時空間分布および編年
5 耳飾の製作技術復元と穿孔技術の分析
6 耳飾の素材分析からみた資源選択と利用
7 耳飾の形態・技術・素材から復元する製作体系の変遷
8 南シナ海周辺の地域社会における耳飾の機能と受容
終章 南シナ海周辺地域の先史時代海域ネットワークと回遊職能民
著者等紹介
深山絵実梨[ミヤマエミリ]
2009年早稲田大学第一文学部考古学専修卒業。2013年~2015年日本学術振興会特別研究員DC2。2017年~2020年東京藝術大学社会連携センター特任助手。2020年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程考古学コース修了、博士(文学)。2020年より日本学術振興会特別研究員PD(立教大学受入)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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遊動する旧石器人
1
2021年10月15日初版発行。レンタル。先史時代の東南アジアにおける耳飾を軸としたネットワークに関する博論を基にした1冊で、玦状耳飾に興味があり、且つ中華帝国とその周辺にも関心がある自身が読みたかった1冊。東南アジアにおける耳飾について、すごく勉強になり、こうした中華帝国と接する地域におけるネットワーク(特に海を介した)については、楽浪郡以東地域でも大いに参照されるべき示唆を多分に含む。とても有難い研究書である。ただし、不案内なABCや数字を用いた形態分類や「編年」の概念については、吟味が必要である。2024/03/23