内容説明
一世紀ぶりに蘇るひとりの日本人の波爛万丈の物語。開拓期のアラスカやカナダ極北部を舞台に、エスキモーよりもアラスカを知り抜いていた男、和田重次郎のドラマチックな生涯を、厳寒の現地取材を交えて発掘した力作。
目次
新田次郎と和田重次郎
アメリカ側の参入
春や昔 十五万石の城下かな
エスキモーになったサムライ
故郷の空
幽霊船ナバックの冒険
黄金の誘惑
タナナ、大ストライク
「ワダ・リンチ事件」の真相
キング・ワダ〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みわ
1
卒論のために読んだ。すでに絶版となっているため入手に少し苦労したが、史料として、読み物としてとても価値のある作品だった。もともとアラスカに興味を持ったきっかけは新田次郎の「アラスカ物語」だが、和田重次郎はフランク安田と並ぶアラスカにおける偉大な日本人と言って差し支えないだろう。2023/07/03
おのいずみ
1
アラスカ黄金時代に極寒の現地で金鉱の発掘や犬橇ルート開拓などに貢献したスーパー日本人、和田重次郎の波瀾万丈の生涯を追った一冊です。大金を得たりスパイ疑惑をかけられたり、雪原で食料が尽きて生命の危機にさらされたりと、様々な困難を経験しますが、それらを乗り越える屈強な精神力には感服します。