内容説明
本書は一九九五年十一月十二日に開催された史学会のシンポジウム「土地と在地の世界をさぐる―古代から中世へ」をもとにして編んだものである。当日の討論は、荘園の開発の在り方とその時期やタイプなどをめぐって活発に行われた。そこで、本書はシンポジウムの報告に基づいた論文の他に、討論の内容をふまえて、問題検討の幅を広げることに留意した。
目次
第1部 古代の在地世界へ(郡符木簡にみる在地支配の様相;古代の土地売買と在地社会;荘所の形態と在地支配をめぐる諸問題)
第2部 在地の世界から(古代集落と在地社会;現地調査からみた在地の世界―近江国薬師寺領豊浦荘・興福寺領鯰江荘;荘園村落遺跡調査と開発史―国東半島の荘園の成立と開発)
第3部 在地世界の変貌(神領興行法と在地構造の転換;名手・粉河の山と水―水利秩序はなぜ形成されなかったのか;鎌倉後期・在地社会の変質)