内容説明
ルターと教皇の一騎打ち。教皇らを捕虜に凱旋するルター。文字を解さぬ人びとに伝えられた宗教改革のイメージ。
目次
第1章 歴史のなかの宗教改革
第2章 「神の水車」
第3章 「真理の勝利」
第4章 「ルターの首引き猫」
第5章 「ヴィッテンベルクの鶯」
第6章 カトリックの反撃
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キムチ27
36
大学のセンセが20年余り前の執筆、さほどに期待しないで読むからさらっと終わる。面白く伝えようという気がなさそうだし、時代から、題材からしても楽しむ類のものじゃない。でも結構この時代、ダークなんですよ。簡単に魔女狩りをするわ、神父の修道女荒らしはあるわ、お互いのあら探し、つぶし合いでがせチラシを配るわ。。どれもこれもチラシの作風は変わり映えなく、同一人が書いたようで嗤う。猫頭というのが「バカにした」手法のようで。首引き猫という命名はどこから来たのか納得。日本の浮世絵にも同じのがあり、首引きがあったとは驚き。2015/07/17
Kei Kat
1
宗教改革をビジュアルとして伝える役割としての木版画なので、芸術作品としては今ひとつな気がする。2014/07/25
yanapong
1
宗教改革におけるメディアの機能・影響を、主として改革派の発行した出版物の木版画の図像解読から論じる。2010/12/05
あだこ
1
一般的に言われる、ルターの宗教改革は活版印刷という歴史的背景があったという言説に対して、さらなる民衆を含んだダイナミクスを提示する。それこそが木版画であったのだが、本書では視覚的なことについてしか言及されておらず、それが音読されるという事実性をさらに記述してほしかった。2009/07/02
あにこ
0
単行本を携行する習慣がないので、ちまちまと家で読み進めてきた。専門書のレーベルに収まってはいるが、平易な語り口と豊富な図版で、読み物として十分楽しかった。原文にどれだけ忠実に基づいているのか、ドイツ語を解さぬわたしには皆目分からないが、訳された詩文やセリフ回しがこなれていて好印象。辞書的・文法的には正しくても血が通っていないような翻訳もときたまあるから……。2017/11/30