Minerva西洋史ライブラリー
中世イタリア都市国家成立史研究

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  • サイズ A5判/ページ数 447,/高さ 21cm
  • 商品コード 9784623032846
  • NDC分類 237.04
  • Cコード C3322

出版社内容情報

【内容】
本書は、「都市の国」であるイタリアの地域社会がどのようにして、形成・確立したかを研究したものである。具体的には、興隆してきた北イタリアの都市コムーネが12世紀後半、帝国の再建に粉骨砕身するフリードリッヒ=バルバロッサと戦いつつ、「政治的独立」を達成していく過程(第1部第1章~5章、付録)と、その都市コムーネが司教に代わってどのようにして農村領域を集約し、地域に深く根を下ろしていったか、その領域支配の確立過程(第2部第6章~10章)を明らかにする。第24回マルコ・ポーロ賞受賞。

【目次】
序 イタリアの中世都市と研究課題
 1  帝国内における都市コムーネ体制の確立
     ――フリードリッヒ=バルバロッサとイタリア諸都市
1  『フリードリッヒの事績』にみるイタリア支配の論理
2 バルバロッサとミラノ市
3 バルバロッサに破壊された中・小都市
4 バルバロッサと小都市ローディ
5 バルバロッサに対抗するロンバルディア都市同盟
 2 領域内における都市コムーネ体制の確立
6 司教と都市――司教の世俗的支配権の実態
7 国王証書にみる司教と都市コムーネ
8 領域支配権の司教から都市コムーネへの移行
    ――12・3世紀中部イタリアの中都市ピストイアの農村支配の分析から
9 中都市の都市条例にみるコムーネ体制
    ――ピストイアの12世紀と1296年の都市条例の分析から
10 都市コムーネによる領域支配の確立――ピストイアの農村ポデスタ制
付 録 フリードリッヒ=バルバロッサとイタリア諸都市に関する研究史
あとがき/フリードリッヒ=バルバロッサとイタリア諸都市関係略年表/主要文献目録/人名索引

内容説明

本書は、「都市の国」であるイタリアの地域社会がどのようにして、形成・確立したかを研究したものである。具体的には、興隆してきた北イタリアの都市コムーネが12世紀後半、帝国の再建に粉骨砕身するフリードリッヒ=バルバロッサと戦いつつ、「政治的独立」を達成していく過程と、その都市コムーネが司教に代わってどのようにして農村領域を集約し、地域に深く根を下ろしていったか、その領域支配の確立過程を明らかにする。

目次

イタリアの中世都市と研究課題
第1部 帝国内における都市コムーネ体制の確立―フリードリッヒ=バルバロッサとイタリア諸都市(『フリードリッヒの事績』にみるイタリア支配の論理;バルバロッサとミラノ市;バルバロッサに破壊された中・小都市;バルバロッサと小都市ローディ;バルバロッサに対抗するロンバルディア都市同盟)
第2部 領域内における都市コムーネ体制の確立(司教と都市―司教の世俗的支配権の実態;国王証書にみる司教と都市コムーネ;領域支配権の司教から都市コムーネへの移行―12・3世紀中部イタリアの中都市ピストイアの農村支配の分析から;中都市の都市条例にみるコムーネ体制―ピストイアの12世紀と1296年の都市条例の分析から;都市コムーネによる領域支配の確立―ピストイアの農村ポデスタ制)
フリードリッヒ=バルバロッサとイタリア諸都市に関する研究史

著者等紹介

佐藤真典[サトウシンスケ]
1942年天津市に生まれる。1964年広島大学教育学部卒業。1971年広島大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1971―3年イタリアScuola Normale Superiore di Pisaに留学。現在広島大学教育学部教授、中世イタリア史専攻、博士(文学)。主著に「中世イタリアの司教の世俗的支配権」竹内正三、坂田昭二編『ローマから中世へ』渓水社、1985年所収。「都市国家の成立―帝国と都市―」清水広一郎、北原敦編『概説イタリア史』有斐閣、1988年所収。「中世からルネサンスにかけてのイタリアの都市のイメージ―「都市美観の誕生」試論―」斉藤稔編『諸芸術の共生』渓水社、1995年所収。翻訳にN.オットカール著『中世の都市コムーネ』(清水広一郎共訳)創文社、1972年
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感想・レビュー

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富士さん

5
教科書、再読。主にシュタウフェン朝期の神聖ローマ帝国との関係を通じてイタリア都市国家の成り立ちを描くのがテーマです。しかし、本書は研究書にしても不親切。ボトムアップ民主制の限界として、遠くロシアでも見られるお雇い君主としてのポデスタ制と、日本でも想定できる調停者としての支配者像が実証的に描かれ、政治的な危機への普遍的な対応の存在を感じさせるのが本書の魅力なのですが、そのそもポデスタ制の定義も自明が前提にされています。著者からは、タコつぼ研究者にならないように、と聞いたのですが、本書は果たしでどうなのかな?2020/12/19

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