出版社内容情報
【内容】
個人と社会、自由と国家、権力と義務のアンチノミーを鮮やかに解きほぐす。
【目次】
日本語序文/序文/謝辞
1 新旧のフランス自由主義
2 折衷主義と個人主義
3 シャルル・ルヌヴィエ 批判哲学と自由民主主義
4 勝利した共和政 自由主義と教育
5 社会学と自由主義 挑戦
6 アルフレッド・フイエ 科学と自由民主主義
7 デュルケームの社会学と新自由主義
8 デュルケーム学派の自由主義 ブーグレとデュギー
9 結論
訳者あとがき/文献一覧
テクニカル・ターム対象表/索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
てれまこし
9
デュルケーム社会学は19世紀自由主義哲学への挑戦であり批判的継承。それに気づいて、19世紀後半の仏自由主義思想を調べんとな思っていたら、こんなぴったりな書物がもう邦訳されてた。絶対王政に挑戦する立場にあったころの自由主義は自由を高唱しつつ、無自覚に基督教的道徳によりかかれた。だが、革命後に体制内化した自由主義は、挑戦者であったときには無視しえた問題に直面した。果たして自由主義哲学は社会を解体から守れるだけの指針を提供できるのか、単なる理想ではなく社会理論たれるのか。その過程で哲学から社会学へと重心が移る。2022/06/04