出版社内容情報
【内容】
レーニンの立場から修正主義理論を排し，国家独占資本主義の本質にせまる力作｡日・独・米などの具体的政治経済の考察を通じて，資本の過剰処理と独占の高度化を分析の出発点に，体系的に国家独占資本主義を論じた｡
【目次】
第一章 独占の高度化と資本過剰処理の困難
第一節 独占の高度化
第二節 「管理価格」の形成
第三節 資本過剰処理の困難
第四節 資本過剰の対外的処理の困難
第二章 管理通貨制への移行と国家の新しい役割
第一節 資本の循環を国家が補強する方法
第二節 管理通貨制への移行と金融資本の蓄積機構の補強
第三節 ニュー・ディール政策とナチス経済政策
第三章 対外援助とIMF体制
――第二次大戦後の国家独占資本主義の対外関係――
第一節 戦後の世界経済を規定した条件
第二節 アメリカの対外援助
第三節 IMF体制
第四節 IMF体制の動揺とブロック化の傾向
第四章 経済の慢性的軍事化
第一節 公共事業支出から軍事支出へ
第二節 軍事支出と独占資本
第三節 租税・公債・インフレーション
第五章 財政投融資と国営企業
――金融資本の蓄積機構の補強――
第一節 国営企業による私的独占資本の補強
第二節 財政投融資による金融資本の蓄積機構の補強
第三節 税制上の特別措置
第六章 労働市場への国家の介入
第一節 最低賃金制・社会保障――未組織分野の労働市場への介入――
第二節 組織分野の労働市場への介入
第七章 国家独占資本主義と民主主義
第一節 産業資本段階の財政民主主義の条件
第二節 国家独占資本主義と行政府の権限の拡大
第三節 議会の地位の低下
第四節 金融資本と行政機構との一体化
第八章 国家独占資本主義の歴史的地位
第一節 独占資本主義の特殊な段階としての国家独占資本主義
第二節 ツィーシャンクの国家独占資本主義論と日本の構造改革論批判
補章 日本の物価問題 ――物価騰貴のメカニズム――
