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大人の本棚
小さな町

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  • サイズ A5判/ページ数 272p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622080718
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C1393

内容説明

新聞配達をして戦前の数年間を暮らした下谷竜泉寺町、炭坑員としておもむいた雪深い夕張の町。これら「小さな町」で出会った、それぞれの、ささやかな人生を、懸命に静かに生きる人々。人生のよろこびやかなしみを、不器用な手つきですくいあげるように綴る。表題作の他「をぢさんの話」「雪の宿」など短篇10篇を所収。1965年、不遇のうちに53歳で没し、近年ふたたび注目を集めつつある作家の代表的作品集。

著者等紹介

小山清[コヤマキヨシ]
1911年、東京浅草に生まれる。1924年、府立第三中学校入学(三年修了次に中途退学)。1928年、受洗。1929年、明治学院中学部四年次編入(1931年卒業)。1937年7月から読売新聞龍泉寺出張所で約3年間、新聞配達員として働く。1940年、三鷹に太宰治を訪ね、以降、太宰に師事する。1947年1月、夕張炭坑の坑員になる。同年9月「離合」を「東北文学」に発表。翌48年帰京、作家専業の生活に入る。1951年、「安い頭」が第26回芥川賞候補に、翌52年、「小さな町」が第27回芥川賞候補になる。1953年、『落穂拾ひ』(筑摩書房)刊。1953年、「をぢさんの話」が第30回芥川賞候補になる。1956年、同人誌「木靴」創刊。1965年3月6日、急性心不全のため死去

堀江敏幸[ホリエトシユキ]
1964年、岐阜県に生まれる。明治大学教授。2001年『熊の敷石』(講談社)で第124回芥川賞を、2005年『河岸忘日抄』(新潮社)で第57回読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱせり

9
この世間から、はみ出した幸薄い孤独な旅人のような人たちと、地道に暮らしている貧しい町の人々の生活とが、混ざり合って、つかのまの温かい、独特の交流が生まれているように思います。不運続きの作者には、きっと他人には気がつかない小さな温かさを感じ取ることができるのだろう、と思いました。2010/01/02

さすらいのアリクイ

7
この小説集には新聞配達の話が載っているんですけど小山清、実際に新聞配達の仕事やってるんですよね。戦争直前の東京の街中で配っていたらしい。この小説集に載っている小説の内容は日々の仕事や生活での出来事、子どもたちとの交流や仕事で出会った人たちとの話など。それらのことが読むと頭の中にスッ…と入ってくる。普通の話ではあるのですが。非・個性的だけども読むと頭の中に話の中の出来事、登場人物の行動などが残るような。小山清の人物観察、思考、そして願望をそっと紙の上に置いたような…そんな小説集かな。2023/08/22

7kichi

2
ほのかな光が差す一冊。2008/08/27

はるたろうQQ

1
「よきサマリア人」だけ語り口が落語のようで少し他と異なる。周囲の人々が縁の下の力持をして自分を生かしてくれたことを語るので照れ臭かったのだろうか。「道連れ」もキリスト教的で聖愚者がモチーフ。太宰が題を付けたという「離合」は自意識が肥大化した煮え切らない男の話だが、徳田秋声の小説のようで時代を感じさせる。「小さな町」と「をぢさんの話」は映像がはっきり浮かぶ作品で、芥川賞候補になったのも頷ける。「雪の宿」は少し技巧的で女との会話もスムーズである。同じような作品だが微妙な差異があり作品集としても成り立っている。2020/07/10

t_hirosaki(t_hirosaki)

1
戦前は静岡で新聞配達員として、戦後は夕張で炭坑夫として働いた著者の私小説。夕張の風景が描かれていると聞いて借りてみましたが戦前の話の方が多いですね。わかりやすい面白さが用意されていないので読み進めるの大変だったんですけど、その分文学好きなひとには楽しいのかも。僕は、目を通しはしました、程度のレベルです2015/06/06

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