みすずライブラリー<br> 西欧精神医学背景史

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西欧精神医学背景史

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  • サイズ B6判/ページ数 237,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784622050469
  • NDC分類 493.7
  • Cコード C1347

出版社内容情報

西欧文化の持つ宗教的倫理観・人間観の影響のもとに展開した古代から現代に至る精神医学の流れ。



中井久夫(なかい・ひさお)
1934年奈良県に生れる。京都大学医学部卒業。現在 甲南大学文学部人間科学科教授。著書『中井久夫著作集――精神医学の経験』全6巻別巻2(岩崎学術出版社、1984-91)『最終講義――分裂病私見』(みすず書房、1998)ほか多数。訳書にエレンベルガー『無意識の発見』上下(共訳、弘文堂、1980)のほか、みすず書房からはサリヴァン『現代精神医学の概念』『精神医学の臨床研究』『精神医学的面接』『精神医学は対人関係論である』『分裂病は人間的過程である』、ハーマン『心的外傷と回復』、バリント『一次愛と精神分析技法』、さらに『現代ギリシャ詩選』『カヴァフィス全詩集』『リッツォス詩集 括弧』、ヴァレリー『若きパルク/魅惑』などが刊行されている。最近作にはヤング『PTSDの医療人類学』(共訳)『エランベルジェ著作集』(全3巻)がある。

内容説明

「人類史の中でヨーロッパとは何か」。若き日の著者をとらえつづけた問いへの答えを探りつつ、広範な分野の研究書を渉猟し、構築された異色の精神医学史。

目次

古代ギリシア
ギリシア治療文化の外圧による変貌
ヘレニズムに向かって
ローマ世界とその滅亡
中世ヨーロッパの成立と展開
魔女狩りという現象
魔女狩りの終息と近代医学の成立―オランダという現象
ピネルという現象―一つの十字路
ヨーロッパ意識の分利的下熱
ピューリタニズムと近代臨床
フランス革命第一帝政時代と公式市民医学の成立
啓蒙君主制下の近代臨床建設
新大陸の“近代”
大学中心の西欧公式精神医学
力動精神医学とその反響
一九世紀の再展望二〇世紀における変化
西欧“大国”の精神医学
西欧“小国”の精神医学
ロシアという現象
“向精神薬時代”と巨大科学の出現
神なき時代の西欧精神医学
ヨーロッパという現象

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

toiwata

2
母語が日本語であるなら読むべき本。<私は、二十五年以上の歳月を隔てて、ほとんど別人の文体で織られた絨毯を見る。> 西欧とはなにものであるのかという設問は、西欧の文物を取り込み続ける行為が何を意味するか問うことに繋がる。2015/12/15

amplecutter

2
古代ギリシアから20世紀まで、性急なまでのスピード感で駆け抜ける文章は不思議な高揚感を誘う。魔女狩りと「無垢なる少女の神話」また教会についてのくだりは特に興味深い。そして読みながらそこかしこに己の影を見出ださずにはいられなかった。フルールノワの患者の自死のエピソードや「よるべなき救済者」という言葉は胸に苦い。2011/09/22

川長到

1
あなたの視界を手に入れたい第一弾2014/06/28

石橋

1
所々空恐ろしくなるほど理解出来なくなるのはなぜ。怖い怖い。歴史と精神医学をさらに学ばねばなるまい。2009/04/08

ぽぽる

0
西欧、あるいは西洋精神医学なるものが、ユーラシア大陸のごく一部に生じた現象で、より未来から見たら、この地域から始まったこんな治療法もあったんですよ、とごくごく相対化される時代も来るだろうなと感じさせてくれた。2023/12/17

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