出版社内容情報
<世界とその神秘の深さは、…澄んだ明るさの中にあるのだ> と言う詩人の澄明で静謐な歌の魂。
目次
閑な思想
わが愛する母に
野を越えて
朝まだき
春
夏の夕暮
幼き日
秋の日
白樺
ヘルダーリーンへの頌歌
Valse brillante『華麗なワルツ』〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mizuki
42
平和を祈るヘッセの強い思いが伝わってくる詩集でした。自然美、そして自然の偉大さが、人間の存在の小ささを露わにし、戦争の愚かしさを訴えています。力強く生きるヘッセの時折あらわれる、星や花の香り、音楽に耳澄ます詩からは優しさが感じられました。年度始めに読むことができて良かったです!周りを見渡し、もっと自然美を楽しむ暮らしをしていかなければと、改めて気付かされました(*˘︶˘*).。.:*♡2019/04/10
テツ
15
読む度に『自分自身であれ。そして自分という存在を探求し続けよ』というヘッセの声が響く気がする。ここに独り立つ自分を取り巻く世界の美しさ。朝も夜もずっと変わることなく世界は美しい。ただ人はそれに気づかずにいる時間があまりにも長いだけだ。春も夏も秋も冬も世界は変わらず美しく、ぼくが今抱く誰かへの愛しさだって時を経て変質したとしてもその尊さは永遠に変わらない。美しい世界の中で美しいものを抱きながら自分自身を創り続けていく。ああ世界は素晴らしい。その中を生きるぼくもあなたも美しく素晴らしい。2020/06/30