出版社内容情報
主人公は老境にさしかかった元政治家。敗戦後の追放令に該当して、郷里に帰臥している。悠々自適の日々に英米の自叙伝を読み耽るうち、「私」も食指を動かされる。「独身社長独身代議士」と渾名された「私」にも、幾つかのロマンスがあった。青春から今日までの心の歴史があった。
郷里の中学を追われ、上京してミッション・スクールへ。従妹との初恋に破れ、蹶起してアメリカへ留学。帰国して大学教授から実業家へ転身――波瀾に富んだ生涯を顧みてつくづく思い知らされる銘は「人生愚挙多し」。因果はめぐり、そして老後になお最後の愚挙が待ち受ける……。
戦前から戦後にかけて、児童文学とユーモア小説の第一人者として広く親しまれた佐々木邦の名作『心の歴史』に、珠玉のエッセイ2篇を併録する。
シリーズ《大人の本棚》の一冊
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佐々木邦(ささき・くに)
1883年、静岡県駿東郡(現・沼津市)生まれ。明治学院高等学部卒。1917年より慶應義塾大学予科教授、英語、英文学を講じる。教職のかたわら『いたづら小僧日記』(1909年)、「珍太郎日記」(1920年)、「のらくら倶楽部」(1924年)など、児童文学、ユーモア小説のジャンルの第一人者として活躍する。1928年には教職を辞し、以後作家生活に専念。1930-31年、講談社版『佐々木邦全集(全10巻)』。1931-33年、半自伝的大河小説「地に爪跡を残すもの」。戦後は母校の明治学院大学教授に迎えられ(1949-62年)、『心の歴史』(1949年)、「赤ちゃん」(1957年)などの名作を書く。1961年、児童文芸功労賞を受ける。1962年には、自作の『心の歴史』をみずから英訳して、ニューヨークのバンテージ社から出版。1964年、心筋梗塞のため没。81歳。1974-75年、『佐々木邦全集(全15巻)』が講談社より刊行された。
外山滋比古(とやま・しげひこ)編
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業、同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授を経て、89年同大学名誉教授。62年文学博士。『修辞的残像』(61年)、『近代読者論』(64年)により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』(72年)でその実践を示す。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』(78年)から『古典論』(2001年)へ展開。『外山滋比古著作集』全8巻(みすず書房、刊行中)。
内容説明
主人公は老境にさしかかった元政治家。敗戦後の追放令に該当して、郷里に帰臥している。「独身社長独身代議士」と渾名された「私」にも、幾つかのロマンスがあり、青春から今日までの「心の歴史」があった。郷里の中学を追われ、上京してミッション・スクールへ。従妹との初恋に破れ、蹶起してアメリカへ留学。帰国して大学教授から実業家へ転身―波瀾に富んだ生涯を顧みてつくづく思い知らされる銘は「人生愚挙多し」。因果はめぐり、そして老後になお最後の愚挙が待ち受ける…戦前から戦後にかけて、児童文学とユーモア小説の第一人者として広く親しまれた佐々木邦の名作『心の歴史』に、珠玉のエッセイ二篇を併録する。
著者等紹介
佐々木邦[ササキクニ]
1883年、静岡県駿東郡(現・沼津市)生まれ。明治学院高等学部卒。1917年より慶応義塾大学予科教授、英語、英文学を講じる。教職のかたわら『いたづら小僧日記』(1909年)、「珍太郎日記」(1920年)、「のらくら倶楽部」(1924年)など、児童文学、ユーモア小説のジャンルの第一人者として活躍する。1928年には教職を辞し、以後作家生活に専念。1930‐31年、講談社版『佐々木邦全集(全10巻)』。1931‐33年、半自伝的大河小説「地に爪跡を残すもの」。戦後は母校の明治学院大学教授に迎えられ(1949‐62年)、『心の歴史』(1949年)、「赤ちゃん」(1957年)などの名作を書く。1961年、児童文芸功労賞を受ける。1962年には、自作の『心の歴史』をみずから英訳して、ニューヨークのバンテージ社から出版。1964年、心筋梗塞のため没。81歳
外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授、同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士
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