• ポイントキャンペーン

大人の本棚
佐々木邦 心の歴史

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 326p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622048329
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C1393

出版社内容情報

主人公は老境にさしかかった元政治家。敗戦後の追放令に該当して、郷里に帰臥している。悠々自適の日々に英米の自叙伝を読み耽るうち、「私」も食指を動かされる。「独身社長独身代議士」と渾名された「私」にも、幾つかのロマンスがあった。青春から今日までの心の歴史があった。

郷里の中学を追われ、上京してミッション・スクールへ。従妹との初恋に破れ、蹶起してアメリカへ留学。帰国して大学教授から実業家へ転身――波瀾に富んだ生涯を顧みてつくづく思い知らされる銘は「人生愚挙多し」。因果はめぐり、そして老後になお最後の愚挙が待ち受ける……。

戦前から戦後にかけて、児童文学とユーモア小説の第一人者として広く親しまれた佐々木邦の名作『心の歴史』に、珠玉のエッセイ2篇を併録する。

シリーズ《大人の本棚》の一冊

---------------------------

佐々木邦(ささき・くに)
1883年、静岡県駿東郡(現・沼津市)生まれ。明治学院高等学部卒。1917年より慶應義塾大学予科教授、英語、英文学を講じる。教職のかたわら『いたづら小僧日記』(1909年)、「珍太郎日記」(1920年)、「のらくら倶楽部」(1924年)など、児童文学、ユーモア小説のジャンルの第一人者として活躍する。1928年には教職を辞し、以後作家生活に専念。1930-31年、講談社版『佐々木邦全集(全10巻)』。1931-33年、半自伝的大河小説「地に爪跡を残すもの」。戦後は母校の明治学院大学教授に迎えられ(1949-62年)、『心の歴史』(1949年)、「赤ちゃん」(1957年)などの名作を書く。1961年、児童文芸功労賞を受ける。1962年には、自作の『心の歴史』をみずから英訳して、ニューヨークのバンテージ社から出版。1964年、心筋梗塞のため没。81歳。1974-75年、『佐々木邦全集(全15巻)』が講談社より刊行された。


外山滋比古(とやま・しげひこ)編
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業、同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授を経て、89年同大学名誉教授。62年文学博士。『修辞的残像』(61年)、『近代読者論』(64年)により文学における読者論の方法を提唱、『シェイクスピアと近代』(72年)でその実践を示す。さらに、否定的に扱われてきた異本の意義に着目、その積極的機能を考察、『異本論』(78年)から『古典論』(2001年)へ展開。『外山滋比古著作集』全8巻(みすず書房、刊行中)。

内容説明

主人公は老境にさしかかった元政治家。敗戦後の追放令に該当して、郷里に帰臥している。「独身社長独身代議士」と渾名された「私」にも、幾つかのロマンスがあり、青春から今日までの「心の歴史」があった。郷里の中学を追われ、上京してミッション・スクールへ。従妹との初恋に破れ、蹶起してアメリカへ留学。帰国して大学教授から実業家へ転身―波瀾に富んだ生涯を顧みてつくづく思い知らされる銘は「人生愚挙多し」。因果はめぐり、そして老後になお最後の愚挙が待ち受ける…戦前から戦後にかけて、児童文学とユーモア小説の第一人者として広く親しまれた佐々木邦の名作『心の歴史』に、珠玉のエッセイ二篇を併録する。

著者等紹介

佐々木邦[ササキクニ]
1883年、静岡県駿東郡(現・沼津市)生まれ。明治学院高等学部卒。1917年より慶応義塾大学予科教授、英語、英文学を講じる。教職のかたわら『いたづら小僧日記』(1909年)、「珍太郎日記」(1920年)、「のらくら倶楽部」(1924年)など、児童文学、ユーモア小説のジャンルの第一人者として活躍する。1928年には教職を辞し、以後作家生活に専念。1930‐31年、講談社版『佐々木邦全集(全10巻)』。1931‐33年、半自伝的大河小説「地に爪跡を残すもの」。戦後は母校の明治学院大学教授に迎えられ(1949‐62年)、『心の歴史』(1949年)、「赤ちゃん」(1957年)などの名作を書く。1961年、児童文芸功労賞を受ける。1962年には、自作の『心の歴史』をみずから英訳して、ニューヨークのバンテージ社から出版。1964年、心筋梗塞のため没。81歳

外山滋比古[トヤマシゲヒコ]
1923年愛知県に生まれる。47年東京文理科大学英文科卒業。同大学特別研究生修了。51年雑誌「英語青年」編集長。ついで「英語文学世界」「月刊ことば」を創刊、編集。その間、56年東京教育大学助教授、68年お茶の水女子大学教授。89年同大学名誉教授、同じく昭和女子大学教授。99年同大学退職。62年文学博士
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぱせり

10
人と出あい、関わり、別れ、その再現のないつながりのなかで私も生きている。たくさんの誤解、思いこみの連続でもあった。それでも、好意と懐かしさで思いだせる多くの顔があることは幸せだ、と思う。 2014/10/09

Susumu Kobayashi

5
英文学者にしてユーモア作家として知られる佐々木邦の小説『心の歴史』に、短いエッセイ2編を収録。最初に置かれたエッセイは「芭蕉の蛙」と「テーブル・スピーチ」で、前者は芭蕉の蛙の種類を特定しようとするもの、後者はいかにして突然のテーブル・スピーチを退けるかについて。ユーモラスで面白い。大部分を占める長編は半自伝的作品なのかもしれない。著者みずから英訳してアメリカで出版したとのこと。若い頃の恋愛がらみの失敗談などがおもしろおかしく描かれ、ついつい読んでしまった。実家に『佐々木邦全集』があるから、いずれ読むかな。2017/11/07

Hiro

1
長く積ん読していた本書を突然人に譲ることになって慌てて一読すると、これが実に面白い。一気読みしてしまった。戦前に英語教師から会社重役、そして代議士になり、戦後公職追放にあって閑居する老人の自叙伝という体裁で、一生を通じての様々な異性交流の有り様が綴られる。家制度の下での結婚のしきたりや交際のあり方、また戦前の中流上層家庭の様子などが、手に取るように、そして面白く描かれて飽きさせない。自分のことを倫理的でスマートに見せようとして、実はそうでないことが段々と分かってくる終盤が特に凄い。それに会話の扱いも見事。2021/04/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/332357
  • ご注意事項