出版社内容情報
アレクサンドリアとインド――著者に最も深い影響を与えた二つの土地をめぐるエッセーと回想。
内容説明
アレクサンドリアとインド―土地の精霊を透視した快心のエッセー・歴史・回想。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぺったらぺたら子
3
表紙画像さえ出ないが、面白いんだよ「デーヴィーの丘」。没落するインドの弱小藩王国で秘書として働く事になった著者の手紙を自ら編纂した物。兎に角、インチキ零細王国過ぎて呆れるが、王が何とも魅力的な存在で、宗教的行事の描写も美しく、近代化民主化で失われた無垢さについて、例えばダライ・ラマに関する本と同様に考えさせる。「インドへの道」の元になったものだが、あれは著者の思考の限界が目立ち、こちらの方が素直に印度を表している。洋書には、後世に追加された男娼とのゴタゴタの部分があるのだそうだ。読みたいが読みたくない。2016/11/21
刳森伸一
2
アレクサンドリアに纏わるエッセイ「ファロスとファリロン」と、秘書として働いたインドの藩王国に関する手紙をまとめた「デーヴィーの丘」の二篇を所収。「ファロス…」はアレクサンドリアの歴史をまとめたエッセイ『アレクサンドリア』とは異なり、逸話を並べた感じだけど、それがむしろ面白い。「デーヴィー…』はインドの風習への戸惑いと藩主への敬愛が融合した佳作。2019/03/03