読書癖〈3〉

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読書癖〈3〉

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  • サイズ B6判/ページ数 276p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784622045472
  • NDC分類 019.04
  • Cコード C0095

出版社内容情報


「読んでおかないと恥だから読むのではなく、おもしろいから読む……読書はストックではなくフローである。新しい書物は次々に出され、知識はさまざまに形を変えて人を訪れる。その流れの岸に立って、人は多くを読み、あるものを忘れ、あるものを記憶にとどめる。人の心の中でダイナミックな教養がつくられつつある。/昔、寺山修司は〈書を捨てよ、町に出よう〉と言った。彼はその時、気付いていなかった、書物がそのまま町であることに。」

読書人待望の『読書癖』3巻目。期待にたがわず本巻も、本と読書をめぐる刺戟的でおもしろいエッセー=書評で埋まっている。作家の蔵書や再読の欲望について、吉田健一の文庫本、林達夫・丸谷才一・藤沢周平の魅力など、読書万般、あらゆるテーマにわたる。わけても、クンデラやエーコや谷川健一やル・クレジオの作品を論じた長尺の文章は、論理の明晰とエレガントな行文において、質量ともにTLSのそれに匹敵する書評のお手本ともいうべきものである。読書は孤ならず、本書は人びとを〈読書の共同体〉へといざなう出色のガイドブックである。


池澤夏樹(いけざわ・なつき)
1945年北海道帯広市に生まれる。埼玉大学理工学部中退。1975年から3年間ギリシアに滞在。1987年『スティル・ライフ』で中央公論新人賞及び第98回芥川賞を受賞。詩、小説、評論、翻訳。主な著書は長篇小説として『夏の朝の成層圏』、『スティル・ライフ』、『真昼のプリニウス』(以上中央公論社)、『バビロンに行きて歌え』、『タマリンドの木』(文藝春秋)、『南の島のティオ』(楡出版)、『マシアス・ギリの失脚』(新潮社)、短篇集として『マリコ/マリキータ』『骨は珊瑚、眼は真珠』(文藝春秋)。詩集に『塩の道』、『最も長い河に関する省察』『池澤夏樹詩集成』(共に書肆山田)。エッセー、評論として『見えない博物館』(小沢書店)、『ブッキッシュな世界像』(白水社)、『ギリシアの誘惑』(書肆山田)、『インパラは転ばない』(光文社)、『都市の書物』(太田出版)、『シネ・シティー鳥瞰図』(中公文庫)、『南鳥島特別航路』(日本交通公社出版局)、『エデンを遠く離れて』(朝日新聞社)、『読書癖』全4巻(みすず書房)、『母なる自然のおっぱい』(新潮社)、『海図と航海日誌』(スイッチ・パブリッシング)、『楽しい終末』(文春文庫)、『むくどり通信』『むくどりは飛んでゆく』『むくどりの巣ごもり』『むくどりしゃっきん鳥』(朝日新聞社)、『小説の羅針盤』『ハワイイ紀行』『明るい旅情』(新潮社)、『クジラが見る夢』(新潮文庫)、『未来圏からの風』『やさしいオキナワ』(PARCO)、『沖縄式風力発言』(ボーダーインク)、対論『沖縄からはじまる』(共著、集英社)など。

内容説明

作家の蔵書や探偵の肖像から林達夫・吉田健一・藤沢周平の魅力へ、さらにクンデラやエーコ、ル・クレジオまで、読書万般にわたる出色のエッセー=書評62篇。本書は孤ならず、本書は人びとを「読書の共同体」へといざなう出色のガイドブックである。

目次

作家の伝記
編集は楽しい
大計画
会社の名前
美しいドレス
生活文化の記録
一行の長さについて
正しい映画評
作家の蔵書
蔵書の始末〔ほか〕

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

fonfon

5
吉田健一に関するエッセイを読みたくて購入、たった3pしかなかったけれど、抜き書きしたい言葉にたくさんであって大満足。「若くて無知で無力だった頃、この人の書いたものに出会って随分助けられた。未熟の日々を世俗の嘘に頼ることなく、少しは優雅に送ることができた。その文章は時間がたっても錆びず曇らず、今も若い人々に柔軟で正しい生き方を教えてくれる。この吉田健一のような人物を生み出す仕掛けを文明という。」「最も上等な批評は理想の姿を示して現実の前に並べるということで人の生活についてそれを行ったのが吉田健一の小説」2011/01/06

PETE

4
ヨーロッパ文学への造詣の深さにおいて日本文学界の超一流のサラブレッドである書評の達人の本。20年以上前の本たちなので買うのが大変そう。珍しく著者が自分の生い立ちや実父とその周辺の人々を語る文章があった。マチネ・ポエティックの詩を読みたくなった。2023/01/03

Maumim

0
書評を読んだだけで、その本を読んだ気にさせられてしまう。読書に没頭する時間がほしい!2012/05/10

ipusiron

0
1999/7/4読了

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