内容説明
「デフレ」「円高」「財政再建」「チャイナリスク」「TPP」「高齢化」―。むずかしい経済問題を豊富なデータでわかりやすく解説。
目次
第1章 日本経済の大問題(円高―消極的な金融政策が続く限り、日本のデフレ不況が続く;財政再建―無駄の排除とともに消費税の増税が必要 ほか)
第2章 「新成長戦略」と民主党の経済政策を考える(新成長戦略―規制緩和や法人税減税などに重点;子ども手当―将来に対する本当の投資、意味のある社会実験である ほか)
第3章 需要拡大を考える(消費拡大―所得の安定的増加が必要;住宅需要―雇用と所得の環境改善が必要 ほか)
第4章 歴史と諸外国から学ぶ(グローバル化と需要―アジアを中心とした外需がますます重要;戦前・戦後の教訓―いつの時代も内向きにならず、グローバルな視点が重要 ほか)
著者等紹介
原田泰[ハラダユタカ]
株式会社大和総研専務理事チーフエコノミスト。1950年生。1974年東京大学卒業後、同年経済企画庁入庁、ハワイ大学に留学(経済学修士)、同庁国民生活調査課長、海外調査課長、財務省財務総合政策研究所次長などを経て現職。著書に『日本国の原則』(石橋湛山賞受賞)『昭和恐慌の研究』(岩田規久男氏他共著、日経・経済図書文化賞受賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
4
消費増税には抵抗がある。エコノミスツなら新自由主義とか市場原理主義に立脚しているだろうが、金融政策と財政政策の説明(14ページ)をみると、がっかりした。有効な財政政策とは何か、と思う。TPPの農業論も効率や規模だけの議論で、そこには文化や地域の議論がなく、不満を覚えた(46ページ)。戸別所得補償制度も選挙の後の政権がどう政策を打ち出すか、にかかっているだろう。シンクタンクだからデータ豊富に説明はしてくれているのはいいとしても、彼らは金持ちな立場で書くために、どうしても格差是正とか、弱者目線での記述でない。2012/12/05