内容説明
「おとなしい主婦」みつ子は、なぜ、幼児を殺したのか?東京・文京区で起きた女児殺害事件。その犯行に行き着いた主婦の「壊れていった」心の闇に迫る、異色の心理分析ルポルタージュ。
目次
第1章 身を焦がす孤独な少女
第2章 シゾイド・パーソナリティー(分裂気質者)
第3章 静かな、しかしラディカルな生
第4章 仲良く装わなければならない義務
第5章 夫という名の評論家
第6章 自己危急反応としての犯行
エピローグ 罪と罰と初公判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
e r i .
4
臨床心理士から見た事件。第5章「夫という名の評論家」で加害者の夫について書かれている。そして電話で話している…。みつ子の夫の不可解な行動など。2017/08/15
ムレスナさん
2
マスコミに「母親バッシング」の標的になったみつ子や被害者の母親が気の毒。他人事は思えない。夫の他人の感情を思う能力や社会性の無さはちょっと・・・サイコパスっぽくてゾっとした・・責任転嫁でなく犯人となったみつ子よりも、この夫の方が明らかに性格が狂っているように見える。公園デビューって凄まじい女の社会だ・・・そっちも怖かった。許さない世間の目に追い詰められどうにもならない状況が詳しく説明され、みつ子に同情すら覚えてしまう。女にとって無視できない話題だった。特に新米ママは危機管理として一読の価値あり。2011/01/12
ろ~たす
1
みつ子の軌跡を辿りながら、著者が自分の人生と重ね合わせるところにページを割いていることが意外だった。読者の理解が深まると考えてのことなのだろうか。タイトルが「窒息する母親たち」というと事件から見える現代の母親の置かれた状況に対する問題提起のような内容に感じられるが、加害者の持つパーソナリティの大きな偏りの推察がメインであり、やや違和感を覚えた。けれど推察・分析は興味深く、そういう思考・感情の人もいるんだろうと納得できた。2014/08/25
みるこ
1
まさに窒息しそうな重いどんよりとした空気に包まれた1冊。母親たちの関係の中で生じることは所々わかる点もあり、何ともやりきれない気持ちになった。2014/08/02
きち
1
この本を読むまではみつ子の夫は人格者だと思っていたので意外でした。思いつめるにいたったみつ子の供述が少ないと思った。2008/08/20