内容説明
国際進出した大企業で働く日本人社員ひとりひとりの意識と行動様式を、現場で詳細に観察・分析したフランス人による興味あるレポート。第2回渋沢・クローデル賞受賞。
目次
第1章 企業の表明する公式ディスクール
第2章 親会社社員のディスクール
第3章 親会社内戦略のシステムでのアクター
第4章 戦略システムの作動メカニズム
第5章 国際化―子会社のモデル
第6章 国際化―子会社でのパワー・ゲーム
補論1 日本的ケースにおける戦略分析
補論2 日本企業のモデルを求めて
補論3 文献に関する考察
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
き
4
フランス人の経営学者による日本企業の研究。神戸大学の大学院に3年間留学した経験を持ち、日本企業のケーススタディをするためにある日本企業の海外子会社に入社して、参与観察をした研究結果が本書。企業が特定されないように非常な注意が払われているが、今なら研究倫理審査に引っかかりそうな内容。戦略分析という組織社会学のアプローチを用いて組織内の人々の行動が分析されている。表向きは「和」を強調しているのに対し、組織内部では激しい出世競争と派閥争いが繰り広げられる実態を、リアルにまた冷徹に描き出している。2016/12/19