内容説明
天使の顔と心を持ち、歩んだ暗黒の道。悪魔メムノックとともに天国と地獄を巡ったレスタトが持ち帰ったヴェロニカのベール―そこに焼きつけられたキリストの顔に打たれたアルマンは、殉教者として自らを滅ぼそうとした。しかし奇跡的に生還した彼は、デイヴィッド・タルボットの要請に従い、これまでの生涯を語り始める。十七歳のとき、故郷キエフの地で奴隷商人に捕らえられ、数奇な運命によりヴェネツィアでヴァンパイアになったこと、パリの「カヴン」のリーダーとして闇の世界に君臨したこと、そして、レスタトとの出会いから現在に至る彷徨の人生について…。天使と見まがうアルマンの破滅と再生の物語を通して、壮大な「ヴァンパイア・クロニクルズ」の新たなる展開が始まる。