内容説明
ファンハウスのオーナー、コンラッドは赤ん坊を溺愛していた。異形に生まれついた赤ん坊でも、彼には最愛の息子だった。だが行く末を悲観した妻のエレンが、こともあろうに我が子を殺してしまった。コンラッドは憤怒の果てに、エレンを叩き出した。―いつかエレンにおれと同じ絶望と哀しみを味わわせてやる。いずれエレンに子どもができるだろう。その子をおれが殺してやるのだ…。カーニバルで全国を回りながら、コンラッドはエレンの子どもが現われるのを待ち続けた。何年も何年も待ち、そしてついに、その日はやってきた。エレンの娘エイミーが何も知らずにカーニバルを訪れたのだ。ファンハウスに悲鳴が渦巻き復讐劇の幕は切って落とされた。クーンツ異色ホラーサスペンス登場。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
散文の詞
36
かなり長めのプロローグからはじまります。 しかも、かなりショッキングなストーリーです。 ただ、ここだけ読んでも、この後起こることの大半が想像できます。 前半は、背景やそれに至るまでの経緯が描かれます。 と言うか、前半と言うよりは、ほぼ全編がそれです。 最後に惨劇がありますが、なんとこれだけ?って感じです。 でも、主人公の心の変わりようが、全編読むことで、明らかになります。 この作家の本領です。 2019/10/21
Yu。
13
特にシメとなる第3部がね。。結局のところ、DV・酒・マリワナ・エロ・血しぶき…etc. アメリカお得意のダメ人間要素ふんだんに盛り込まれただけのB級フリークスホラーで終わってしまうという。いや…それで正解なのかも。立ち上がりが良かっただけに (´-д-)2015/03/21
虎師匠
12
再読。華やかで騒がしいカーニバルの夜、異常な盲執に取り憑かれたフリークスの見世物小屋の男達により惨殺されてゆく若者達の恐怖を描く、クーンツにしてはかなり珍しいストレートなホラー。巻末の解説に在る通り、トビー・フーパーのホラー映画のノベライズと言う風変わりな経緯の為に筋書きは恐ろしく単純だし、その展開や登場人物を御都合主義的と批判するのは容易いし、またとても良く解る。しかし、実質上映画本編に該当するのは後半戦であり、オリジナル色の強い前半の見世物小屋の男達のここに至る物語を入れる事でその没入度合いがまるで→2014/10/31
♪mi★ki♪
11
トビーフーパーのホラー映画をクーンツが後から膨らませて小説化した作品。なので映画をなぞっただけでは無いから、それなりに楽しめる。
カマー
3
同名のホラー映画のノベライズ といっても単なるノベライズではなく映画で語られなかった部分を想像し大幅に内容を濃くしたものらしい そのため途中までの創作の部分の方が読みごたえがありクライマックスシーンはあっさりとしていて物足りない 2016/05/25