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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒラP@ehon.gohon
23
全ての生き物を神のつかいとするアイヌは、無意味な殺傷はせず、共に生きようとする人たちです。その代表人格としてのオキクルミの前に現れた悪魔の子。 二人の対決がくっきりと色鮮やかに描かれています。 サケやシカの応援も素晴らしいと思いました。 この絵本のキーになっているのは絵です。 アイヌ模様の縁取りと、太い線で表現された絵が、アイヌの民話にピッタリだと思います。2020/07/06
遠い日
13
アイヌの神謡として名高いオキクルミの幼い頃の話。悪にまっすぐに立ち向かっていくオキクルミ。神の子として誇り高いその精神は、アイヌの自然を守ることに向かう。西山三郎氏の切り絵がまたお話のパワーと拮抗してすばらしい世界観を作る。2016/02/17
つき
10
アイヌの神様オキクルミが、ギンの弓とギンの矢を持って出かけると、くるみの弓と矢を持ったアクマの子が、遊ぼう、みんなやっつけてやろうと声をかけてきました。 オキクルミが愛しんだ生きものたちは、アクマの子の弓矢が放たれると苦しみ始めました…。 アクマの子の登場シーンが、妙にオキクルミにフレンドリーでアクマの子なの?と思いましたが、生きものが苦しむ姿を愉しんでいるのはやはりアクマの子でした。 アクマの子って火山の噴火のことなのかな。2017/09/24
lovemys
7
とても美しい絵本。どのページも美しい。何だか外で遊ぶオキクルミも、悪魔と戦うオキクルミも全力で可愛い。見守られる愛情を感じる。お家に帰った時の場面で泣きそうになった。みんな外では頑張ってるんだよね。2022/07/10
ふぁんと
4
無邪気な残酷さと無邪気な正義のぶつかり合い、という感じ。悪魔の子と神の子オキクルミが、魚や鹿を殺そうとしたり守ろうとしたりの攻防を繰り返す。悪魔の子は、苦しむ生き物を見てケラケラと笑う。それが怖い。オキクルミは当然のようにそれを阻止する。アイヌ神謡を元にした話だというが、悪魔の子は、公害や戦争にも似ている気がした。絵は西山三郎さん。色使い豊か、表情豊かでとても躍動的。2015/09/16