内容説明
朝なんて来ないと思ってた―。フリーターの西塔要はある秘密を抱え、自分には幸せになる権利はないと日々ひっそり生きてきた。バイト先の無茶なシフトや恋人の加瀬からの暴力すら黙って受け入れる要を、バイトの後輩である池上公平はなにかと気にかけてくれる。最初は苦手だったのに、公平の明るさと優しさに触れるうち、要は次第に惹かれてゆく。けれど受け入れられない。公平を好きになってはいけない。過去の秘密が要を縛りつけ、二人の仲を疑う加瀬の執着も日毎にエスカレートしていき…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
那義乱丸
29
腐友にこの本の存在を教えてもらいスピンオフを読む前に購入して読了。私好みの重苦しい話でのめり込むようにして一気読み。自身を罰し続ける要の過去、要と加瀬の歪んだ関係に割り込んでいく公平、話はどこに向かいどう着地するのか等々、恋の行方も含めて引き込まれる要素が盛り沢山なのだけど何故か私が一番気になったのが加瀬。ヒール的役割なので厳しい描写がされてるのだけど彼から目が離せなかった。彼が本当に必要としているものがわかってくる終盤に落涙。どうして要は…と思いつつも納得できる結末。人生にリセットはないというのは真理だ2012/11/17
いいちゃん
21
どひゃー。2冊連続で重い話を引き当ててしまった。辛い話でした。命は大切にして欲しいなぁ。事情は分かるけど投げやりに生きる要に憤りを感じました。公平も何で、そんな要が良いんだか。辛くて泣いたわ。はぁ、疲れた。2015/08/21
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
19
自分の好みは別にして、重く暗くのしかかる過去とDVに加え悪労働条件・・・贖罪?と自分をとことん追いつめる受け・要には、しつこいぐらい関わってくる公平が諦めの悪い男で良かった。要の過去も痛々しいが、DV男・加瀬の過去も相当だしある意味理解できる展開。イチャコラなラブを求めて読むと残念なことになってしまうが、読み応えのある作品。一気に読める。2012/05/13
LIV
16
もう重いし暗いし辛いし痛いしな内容ではあったけど話のつくりが面白かったのでサクサクと読めた。でもどっちかというと公平よりも加瀬にほだされて愛が芽生えちゃった的な展開もちょっと見たかったかも。でもあとがきで加瀬にもラブな未来があるのでご安心を。と書かれていたので安心しました。2012/02/06
天使を愛するアカウント
16
バイトの後輩・公平×フリーター・要。痛かった。痛くてつらかったけど、読後が悪くないイイ話だった。自分の犯した罪から好きではない加瀬からの暴力を甘受する要、それを放っておけないとぐいぐい入り込んでくる公平、2人が短い時間で、でも確かに近づいてく様がとっても自然でよかった。最後までホントにもうダメなのか…と思ったけど、結果的に全員が救われてよかったし、最後に2人が未来の話をしているのが嬉しかった。加瀬が最後見せた優しさの欠片にも感動。この後の彼の話が読んでみたいと思った。彼にも本当の意味での幸せが訪れますよう2010/07/03