内容説明
恋に憧れているのに、恋がこわい―。妹の婚約者に心惹かれる、オクテな姉の心情を描いた表題作(「うすうす知ってた」)ほか、男女が織りなす微妙な心模様を描く、傑作恋愛短篇集。巻末には本書のための著者インタビューを収録。
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。’64年「感傷旅行」で、第50回芥川賞を受賞以降、受賞多数。古典の現代語訳やエッセイも手がける。’95年紫綬褒章受章、’00年に文化功労者となり、’08年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
73
面白かったです。男女が織りなす微妙な心にときめきました。恋するが故に揺れる想いって良いですね。純粋に人を好きになりたいと思わされます。2018/06/17
ゆみりん
9
5篇からなる短編集。妹に先を越された奥手の姉、誰が見ても非の打ち所のない妻、子供はいないが仲のいい夫婦の話しなど、日常に溢れている女の話。でも、その心情はとても繊細で複雑でひっそりと世間を欺く。でも、ドロドロとした感じはなくて何か共感すら抱いてしまう。そんな素直な生き方にどこかで憧れているんだろうな。2022/10/17
くりちゃん
4
身近な日常のようで、普通のラインを越えた人間関係が繰り広げられている。その中でも誰も悪者にならず、関西弁で穏やかに包まれて馴染んでしまう。作者が子供の頃から沢山の家族の中で過ごし人間観察をしながら成長して誰も悪うない状況を見てきたからかな。それにしてもクワタサンとマリはどうなるんやろ、切ない。2022/07/06
桜もち 太郎
4
5編の恋愛短編集。不倫ものが多いが決して重くはなく、泥臭くもなく明るくからっとしたものだ。最後にあるの作者の言葉で「恋愛小説は大人の童話」とあった。なるほど、結局は夢物語なのかな。言葉をとても大事にしている田辺聖子さん。人と接するときは後悔のない言葉を選びたいと思った。2014/07/24
もっか
3
全部面白かったんだけれど、特に【グイチグイチ】と【クワタさんとマリ】が好きです。あとがきがわりの 恋愛小説は「大人の童話」も良かった。2016/02/04