内容説明
7年前に別れた恋人が、ある日突然、あぐりの部屋を訪ねてきた…(「お茶が熱くてのめません」)。終わった恋の苦さを描いた表題作ほか、別れたあとにも続く男女の不思議な関係と、それぞれが抱く微妙な感情を巧みに描いた珠玉の5篇。巻末に著者インタビューを収録。
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪生まれ。樟蔭女子専門学校国文科卒。’64年「感傷旅行」で、第50回芥川賞を受賞以降、受賞多数。古典の現代語訳やエッセイも手がける。’95年紫綬褒章受章、’00年に文化功労者となり、’08年文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
76
面白かったです。終わった後にも続く男女の関係をユーモラスに描いた短編集でした。別れても不思議な関係が残り、微妙な想いを抱き続けるものなのかなと思わされました。男女の恋は終わったと思っても、またあるとき、ふと何とも言えない関係を生み出すこともあるのだと感じずにはいられません。1度掴んだ絆はもしかしたら永遠のものなのかもしれないですね。2018/06/09
桜子
19
別れたあとにも続く男女の不思議な関係やそれぞれの感情を描いた5篇。もうダメダメやん、その腐れ縁…という思いとあるかもしれない…と思う絶妙な関係が面白く読めました。「30すぎたらあかんわァ」って疲れた作中の女性の台詞にコラコラ待ちなさいやと…笑。ワタクシ、自分で老けたなんて一切思っていません31歳です。勘違いが大切なときもアリマス………2015/02/06
あつひめ
18
言葉ってやっぱり大事ですね。大阪弁だとついつい許せてしまう。これが九州弁とか土佐弁とかだったら・・・「甘えるな!!」って一括してしまうかも。男の甘え上手と女の図々しさはタメを張るくらい厄介なものと感じた。別れ上手になれない人の良さが溢れている???作品。そこが人間味があっていいのかもしれないけど~。2010/06/20
茜☽¨
10
終わった恋の苦さや、別れたあとも続く男女の不思議な関係を書いた短編集。うーん、自分の経験値が圧倒的に足りなかった…。でもきっとこういう人いるんだろうなぁ、と予習するような感じで読みました。あとがきは人柄が滲み出ていて、素敵でした。「下町」「よかった会えて」が好きです。2020/08/30
kyoko
7
他人事として読むから面白い。「あとがきにかえて」も面白かった!2015/08/05