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内容説明
源氏の熊谷直実は、戦い前夜、兵士の陣からながれる美しく静かな笛の音に心をうごかされた…『平家物語』のみやびな若武者の悲しい物語。
著者等紹介
あまんきみこ[アマンキミコ]
1931年、旧満州に生まれる。作品に、『こがねの舟』(旺文社児童文学賞)『ちいちゃんのかげおくり』(小学館文学賞)『おっこちゃんとタンタンうさぎ』(野間児童文芸賞)『車のいろは空のいろ』(全3巻)(赤い鳥文学賞特別賞)など多数
村上豊[ムラカミユタカ]
1936年、静岡県に生まれる。作品に『ぞうのはなはなぜながい』『かっぱどっくり』(いずれも小学館絵画賞)『はかまだれ』(絵本にっぽん賞)『銀のつづら』(BIB世界絵本原画展金牌)他多数。第46回菊池寛賞受賞。装画、屏風画など、多方面に活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
れみ
46
図書館内で読了(5)去年、須磨寺で実物を見てきたので。平家物語にも出てくる平敦盛の最期を描いたお話。16歳くらいで戦に行ったり、そこで命を落としたり、今では考えられないような出来事だけど、だからこそ戦争はやっぱりいけないことだし悲しいことだと思わされる。2015/02/21
Smileえっちゃん
43
図書館本。一の谷決戦の前夜、流れてくる笛の音に心打たれる熊谷直実。敗れた平家一門、我先にと海上に敗走し、乗り遅れた敦盛と対峙する。わが子と同じ年頃の若武者を見て、「逃げられよ」と。敵に後ろを見せないあっぱれな若者が、昨夜の笛の主だったとは…味方の前にして、泣く泣く首をはねる。胸がいっぱいになる場面です。戦いとは何か、人を殺すことが手柄なのか…直実は仏門に入り亡くなるまで敦盛の供養を続けたそうな。青葉の笛の哀切な詩とメロデイの裏にはこんな物語があったのです。村上豊さんの優しい色合いで素敵でした。 2023/07/01
Cinejazz
17
源義経配下の武将・熊谷直実(クマガイ ナオザネ)と嫡男・直家は、一の谷の戦いの場に先陣として馳せ参じた。敗れた平家一門が、われ先にと須磨の海へ敗走するなか、若武者・平敦盛(平清盛の異母兄弟の子)は船に乗り遅れ、直実と対峙することに。 逃げ場を失った敦盛は、潔く首をはねられてしまう・・・。敦盛の腰には<小枝>と呼ばれる横笛が遺されていたという『平家物語』のエピソ-ド「敦盛の最期」の物語絵本です。・・・ 文部省唱歌<青葉の笛>のうら悲しい歌詞とメロディが切なさを煽ります。 2022/10/19
あおい
15
平家物語で有名な敦盛の最期。できることなら助けたい直実と誇り高く死を選ぶ敦盛。切ない。2019/09/22
遠い日
12
きりりと引き締まった村上豊さんの絵が美しい。『平家物語』の中から、感涙必至の「敦盛の最期」を、あまんさんが語り尽くす。熊谷直実の武士の情けと敦盛の覚悟が、切なく、やるせなく迫ってくる。2017/10/05