内容説明
歴史研究の中に環境変動という視点を取り込んだ場合に、従来の歴史解釈にどのような広がりを与えるのか。また、どのような問題が明らかになるのか。日本から、アジア、アフリカ、ヨーロッパ地域にまで視点を広げ、歴史学、考古学、地理学、環境史、民俗学など異分野の研究者が最新の研究成果を問う。
目次
序 環境と歴史学
第1部 環境と歴史学へのアプローチ(地球環境問題にみる歴史学と自然科学の融合;歴史学と自然科学―始皇帝陵の自然環境の復元;環境と人間の生活の通時的かかわり―中国海南島の事例より;中国における環境史研究の可能性―生業技術からみるミクロな人間―環境系 ほか)
第2部 環境と地域史(生態環境史の視点による地域史の再構築―生物多様性の歴史的変化研究のための史料について;雲南地域住民の天然資源保護・管理―十八世紀後半~十九世紀前半の元江流域・メコン河上流域を事例として;ナイルをめぐる神話と歴史;地中海性気候と砂漠の遺跡―エジプトの伝統社会と新興文化の広がり ほか)