内容説明
日本陸軍が生んだ最高の天才的戦略家・石原莞爾。彼は独自の文明観から、世界の恒久的平和の確立をめざして「世界最終戦争」を構想していた。その構想は、体制変革され開かれた日本と、東アジアの諸国・諸民族の水平的連合である東亜連盟の結成が前提となった。第一歩として満州事変を起こし、満州国を建国。しかし、石原の理想は、日中戦争の勃発と拡大によって挫折し、やがて予備役へ編入されることとなる…。もし、東条英機に代わり石原によって日本の変革に成功していたら太平洋戦争はいかなる展開を見せたか―かくして『世界最終戦争』は生まれた。本書は、大反響を呼んだシリーズから生まれたエピソードを通して、戦争のもつ人類的・文明的な意味にアプローチする。