• ポイントキャンペーン

ベスト新書
劣化する日本人―自分のことしか考えられない人たち

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 新書判/ページ数 189p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784584124437
  • NDC分類 304
  • Cコード C0236

内容説明

万能のSTAP細胞、現代のベートーベン、PC遠隔操作は誤認逮捕etc.―これらは数例の事例が偶然重なっただけだろうか。いや、明らかに日本人は「劣化」しているのではないだろうか。半世紀前の私たちは、こんな事件を短時日に立て続けに起こしたりはしなかった。生真面目で慎重、誠実といった日本人の美徳が音を立てて壊れていく。

目次

プロローグ―二〇一四年はこれまでと違う時代の始まり
第1章 STAP細胞問題―綺麗な“リケジョ”の強すぎた自己愛
第2章 偽ベートーベン問題―“感動したい、もっと売りたい、目立ちたい”
第3章 パソコン遠隔操作事件―社会への恨みと自己愛の狭間で
第4章 止まらないヘイトスピーチ―公道で「死ね!」「殺せ!」と叫ぶ人たち
第5章 劣化する政治家たち―その発言、公人としてアウトでしょ!
第6章 SNSが日本を滅ぼす!?―性犯罪・いじめ・自殺と“つながる”ネット社会
第7章 知性の劣化と言論の危機―反知性主義と市場の徹底化はパラレルに進む
エピローグ―「自分さえよければよし」の社会を考え直す

著者等紹介

香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道生まれ。東京医科大学卒業。精神科医。立教大学現代心理学部教授。豊富な臨床経験を活かし、現代人の心の問題のほか、政治・社会評論、サブカルチャー批評など幅広いジャンルで活躍する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Kikuyo

15
生真面目で慎重、誠実といった美徳が失われつつあり、著者はこれを「日本人の劣化」と名付けている。モノが「劣化」するのは、それを上手に使って、磨きをかけないからだと思う。だから、人も「じっくりものを考える、心をくばる、他者を慮る」という美徳を上手に使わなければいけないのでは…。それに磨きをかけることを面倒くさがらないようにしようと思う。2015/11/17

アイスマン

8
「輝いてない」という理由だけで自分の人生に不満を表明して精神科を訪れる人が増えているという。「私はもっと素晴らしい人生を送るべき人間だ」という特権意識を持っている人達だ•••。うーん。この気持ちに共感できる気もする。自分も含め難しいかもしれないが、一つでも他人と比較する事を止めれば、その分だけ楽になるような気がする。2016/05/10

nizimasu

8
キーワードは自己愛と知性の劣化。最近話題になった事象、小保方氏や佐村河内氏に遠隔操作の人とかも含めて一刀両断なのだが、その背景にある知性の劣化がなぜ起こっているのか。文字文化がネット登場によって大きく変質している点だけでなく、反知性主義とも言える日本人の行動様式に警鐘を鳴らす。確かに佐藤優氏もいうように知性に重きを置きすぎる風潮とも違うまるで学ばないことへの警鐘というのは大事な視点と、前半の超軽いテイストから気を引き締める次第でありました2014/07/29

ndj.

7
近頃自分の劣化が激しいので図書館返ってきた本コーナーでピックアップ。「劣化」に関しては主に6章、7章でしか触れられていない(1から5章までは時事ネタをベースに小保方氏、佐村河内氏らを精神分析の俎上にあげて論じる少々悪趣味な構成)ので物足りないのだが、ツイッターやLINEの、長文から短文へ、短文からワンフレーズ、スタンプへ、そして文字から画像へ(インスタグラム)という流れをきれいに整理してあり、己の劣化について考えるにあたってのひとつの手がかりにはなりそうである。2016/06/16

まゆまゆ

7
個人主義、市場万能主義が現代人の考え方を根底から変えた。自分さえ良ければ、と考える人達が増え、他者の立場で考える能力が衰退しているのではないか。去年問題となった数々の問題も、結果として自己愛を満たす嘘で塗り固められたものだった。決して個人的なことではなく時代や社会の流れで必然的に起きたことである。2015/01/07

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/8137230
  • ご注意事項