出版社内容情報
政治家の個性は権力奪取の形に表れる。自分の強みを生かす、積極的に打って出る、周囲に担がれる、熟柿が落ちるのを待つ……。戦後28人の首相の政権獲得の軌跡をたどる。
内容説明
政治家の権力欲は政争、暗闘を招く厄介な代物である一方、「政治の活性化」を促す条件の一つにもなる。首相の座を目指して長らく政界で生きてきた者たちは、政権獲得の機会に遭遇したとき、どう動くのか。有利な情勢をつくり出す、独自路線を武器に勝負に出る、決戦に挑む、周囲に担がれる、熟柿が落ちるのを待つ…。鳩山一郎から安倍晋三まで、歴代首相の政権獲得・全記録。
目次
序章 権力奪取と政治リーダーの個性
第1章 初の自力復活首相・安倍晋三
第2章 自民党全盛期まで―一九五四~七二
第3章 「不信と怨念」の派閥抗争―一九七二~八七
第4章 自民党政権の低迷と衰退―一九八七~九三
第5章 連立政権の時代―一九九三~二〇〇六:第6章 政権交代の時代―二〇〇七~一三
終章 権力獲得はスタートライン
著者等紹介
塩田潮[シオタウシオ]
1946年高知県吾川郡いの町生まれ。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。雑誌編集者、記者などを経てノンフィクション作家に。『霞が関が震えた日』(講談社文庫)で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ceskepivo
8
日本の総理の決まり方は、不透明なところが多く、外国の人にはわかりづらいだろう。結局、個人の力だけでは総理なれないので、就任後も、色々なしがらみに縛られ、総理の権力は限定的になってしまう。、麻生総理には、個人的には余り良い印象はないが、著者によれば、①自民党一筋、②何度でも挑戦するチャレンジ精神、③あえて泥船に乗る、④陽気、強気の楽観主義者、とのこと。へ~。2014/11/23
湘南☆浪漫【Rain Maker】
1
戦後、鳩山一郎から安倍晋三までの歴代首相の背景が濃厚に。 順番が回ってくるのか、時代が選ぶのか…。 必ずしも本命が首相に就くわけではないところに、いろんなものが渦巻いているな、と。 今日の総裁選も興味が湧くところ。2021/09/29
りょま
0
本サイトユーザーMakoto Kondoの感想のとおり,本書の含意は終章に集約されている。 権力の獲得過程を類型化した点は評価に値し,その態様によってその後の政権運営に影響を及ぼすことは本書の指摘するとおりである。 しかし,終章に至るまでの記述については,本書を引くならまさに「長すぎた前奏曲」(p.128)と言わなければならない。2014/03/31
Makoto Kondo
0
私が政治系の本を好んで読む理由があって、魑魅魍魎の跋扈する政治の話は、「結局人間関係が八割」という社会での処世術として参考となるからである。本書は戦後の総理大臣が権力を握るに至る過程を綴り各人の個性をあぶり出すというものだが、本書のエッセンスは最終章に凝縮されてあり、読み終わると長い長い前振りに付き合わされた感が拭えない。本書の趣意は「権力の握り方はその後の政権運営に影響がある」だと思うが、だとすれば権力獲得後の政権運営の解説が必要なのだが、そこが薄くて物足りない。コンセプトが興味深いだけに惜しい。2014/02/15
つかさちゃん
0
権力を握ってみようかという気になってくる。2014/01/18