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平凡社新書
反逆する華族―「消えた昭和史」を掘り起こす

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  • サイズ 新書判/ページ数 210p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582856972
  • NDC分類 361.81
  • Cコード C0221

出版社内容情報

かつて皇室の「藩屏」といわれた華族。大正末期から昭和戦前期、そうした華族社会のなかから、共産党の運動に身を投じ、国の体制に公然と反逆する若者たちがあらわれた。そのうちの何人かは獄につながれ、自死による最期を遂げるものさえ出た。彼らはなぜ共産党の運動に身を投じたのか。それは青年客気の愚行にすぎなかったのか。

内容説明

かつて皇室の「藩屏」といわれた華族。大正末期から昭和戦前期、そうした華族社会のなかから、共産党の運動に身を投じ、国の体制に公然と反逆する若者たちがあらわれた。そのうちの何人かは獄につながれ、自死による最期を遂げるものさえ出た。彼らはなぜ共産党の運動に身を投じたのか。それは青年客気の愚行にすぎなかったのか。

目次

第1章 「転向」と「非転向」のあいだ―石田英一郎の場合(異端児の片鱗;社会思想研究会へ ほか)
第2章 ある名門子爵家の父と子―大河内信威の場合(知恵伊豆の末裔;「黒表」に載る ほか)
第3章 学習院グループの共産党事件―「ザーリア」の場合(父たちの議員辞職;やはり秀才 ほか)
第4章 死をえらんだ公爵家の娘―岩倉靖子の場合(嫉妬された岩倉家;父の放蕩 ほか)

著者等紹介

浅見雅男[アサミマサオ]
1947年東京生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、出版社に勤務。在職中から近現代史の研究に取り組む。2009年に退職。国際日本文化研究センター共同研究員、東京大学大学院情報学環教育部、上智大学文学部の非常勤講師も務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

中年サラリーマン

13
社会的、経済的に恵まれていた華族の若者が共産党活動にのめりこんでいった時代があったことが感慨深い。こういうところにも激動の時代の香りを感じます。2014/01/20

Humbaba

6
人よりも有利な立場に立ちたい。有利な立場にいない人はそう考える。しかし、生まれながらに恵まれた環境にいると言うのは幸せなことばかりではない。自分たちが幸せであり、そして周囲にはそうでない人がいる。その事自体が重石となり、自分がこの幸せを享受して良いのかを思い悩むようになることもある。2014/01/07

穀雨

5
昭和初期に、当時国禁とされた共産主義に身を投じた華族青年たちの列伝。生真面目な性格から恵まれた出自に罪悪感を抱き、家族や先生、官憲に制止されてもそれをバネにしてかえって運動にのめり込んでいってしまう悲劇性が共通して読み取れた。自らの運命をも顧みず、破滅へ向かって走り出す姿には胸に迫るものがあった。2021/01/23

kawasaki

5
身分・階級・格差の下層といった「自分ではどうしようもない生い立ち」に生まれてしまった人々が、自らを苦しめる「体制」を変革する運動に身を投じるのは理解されやすい。しかし「恵まれた」側に生まれた人が「体制」の不公正に気づいてしまった場合には。若者たちの息苦しくなるまでのまっすぐさ、かれらを利用する冷ややかな組織の目、反逆を試みた「体制」によって配慮される矛盾、家族の物語、転向した後の沈黙。戦前の共産党運動に身を投じた若き華族たちの群像を、時に寄り添い、時に突き放しながら描き出す。2020/02/05

saladin

2
ということで、大正末期から昭和戦前期に共産党の運動に関わった華族の若者たち5人をメインに取り上げた本著を。正直、”そこまで言えるのか?”と思う記述がチラホラあるけれど、彼らが実在の人物で、各々事件に関与したこと自体は事実だろう。岩倉靖子のように自死した人物もいるので不謹慎かもしれないが、小説などの元ネタとしては使えるだろう。2025/01/03

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