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平凡社新書
ゴーレムの生命論

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582855487
  • NDC分類 199
  • Cコード C0210

内容説明

かつてユダヤ教の世界で、魔術の修得の証とされた人造生命“ゴーレム”。その不遜で不敬な夢は、形を変えて現代科学のうちに継承され、現実のものとなりつつある。いま、命の在り方が根本から問い直される。二一世紀、倫理は新たな局面へ―生命創造の「実現」によりもたらされる未来とは?フランケンシュタインから自動人形、iPS細胞まで、人類による生命創造の倫理を問う。

目次

第1部 ゴーレムの伝説(伝説の歴史的点描;人間化するゴーレム)
第2部 “怪物”と自動人形(境界線上の“怪物”;機械仕掛けの恋人)
第3部 ゴーレムよ、土に帰れ(未定形の肉塊;亜人の命乞い)

著者等紹介

金森修[カナモリオサム]
1954年札幌生まれ。東京大学大学院教育学研究科教授。専門はフランス哲学、科学思想史、生命倫理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

66
我々の中ではもはや常識と言っても過言ではない「ゴーレム」。本書はその伝説の発生から自動人形、人工生命といった派生したものまでを視野に収めた一冊となっている。ゴーレムとは学を修めた者がその証明のために作るのが元々であったという衝撃の発端から、元々のゴーレムは人間と見分けがつかず透明になれる等の伝説が語られている。この辺り伝説や昔話と言った趣で面白いな。中盤以降はフランケンシュタインやホムンクルス、そしてホフマンの『砂男』等人口に作られた生命体の考察となっている。ゴーレムのイメージが作られる過程は面白し。2022/03/20

ヒダン

14
ゴーレムとは土くれからできた人間未満の人間のことであり、ユダヤ教の秘術に端を発する。ゴーレムそのものを扱うとユダヤ教を避けられないので、<ゴーレム的なもの>を考察する。ゴーレム史から疑似人間としての怪物性、しゃべれないなどの劣等人間性が<ゴーレム的なもの>の特徴だとしている。人間の都合で土くれから作られ、人間の都合で土くれに戻されてしまう。このことから人間圏の境界や命の尊さへの問いへと導かれるらしいが、一番の著者の主張なのに展開が急であまり共感できなかった。途中の文学や映画を通じての考察などは面白かった。2016/08/08

サイバーパンツ

12
ゴーレムを論じるにはユダヤ思想への理解が必要なので、〈ゴーレム的なもの〉を分析する。異形の怪物であるのに人間より劣っているのが、〈ゴーレム的なもの〉の特性らしく、そのため取り上げる作品も雑多なものになっている。結論はありふれたもので、ゴーレムは人間に造られた土くれであるがゆえに、人間とそうでないものの距離や命に対する問いへ向かわせるとのこと。生前に金森氏が手がけようとしていた亜人論の準備段階的なものなのか、物足りなさが残る。2018/01/13

yoi

12
『ゴーレム』―ユダヤを守るために作られた『動く土塊』。怪物ではなく、ましてや人間には及ばない、不完全な存在。本書は、そんなゴーレムという存在を紐解き、論じたもの。本来は魔法の生み出した生命だが、生命科学の発達が新たな形でこの存在を蘇らせつつある。この技術が完成したとき、人間はその『造られた生命』と、どう向き合っていけばいいのだろう。そんなことを考えさせられた。2011/03/04

月世界旅行したい

9
ここ数年映画をみていないなぁ、と思う今日この頃。本書の中で言及されてるエイリアン4もみていない。2015/10/02

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