平凡社新書
自己愛型社会―ナルシスの時代の終焉

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582852714
  • NDC分類 304
  • Cコード C0211

内容説明

“自己愛型社会”とは、欲望と快楽が唯一最大のモチベーションであり、自分が常に輝いていることを求める社会である。民衆がパンとサーカスを求めた古代ローマ帝国、極端な個人主義社会だが、対話と譲歩で道を拓いたオランダ、満たされぬ自己愛を強い国家と戦争で解消するアメリカ。それらを検討する中から、日本の進むべき方向が浮かび上がる。“自己愛のダイナミクス”から社会と歴史を捉え直し、混迷する社会を生き抜くためのヒントを提示する。

目次

第1章 自己愛型社会と現代人気質
第2章 自己愛の帝国―古代ローマと自己愛型社会
第3章 変容する公共精神―滅びゆく帝国
第4章 小さな経済大国オランダの教訓
第5章 現代オランダ社会に見える日本の未来
第6章 パックス・アメリカーナの翳り
第7章 崩壊する摩天楼
第8章 来るべき社会の未来図

著者等紹介

岡田尊司[オカダタカシ]
1960年香川県生まれ。精神科医、医学博士。東京大学哲学科中退、京都大学医学部卒業。同大学院高次脳科学講座神経生物学教室、脳病態生理学講座精神医学教室にて研究に従事。京都医療少年院勤務。著書に『人格障害の時代』(平凡社新書)、『パーソナリティ障害』(PHP新書)がある。小笠原慧のペンネームで、第20回横溝正史賞を受賞した『DZ』などの小説を執筆
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

16
8年前の本。自己愛型社会(型が入るのがミソかも?)は、利用はすれども感謝はしない(29頁)。むしろ、他人からされた理不尽さに対して、絶対に許せないということが累積していくと、怨恨になる。病気になる。恐ろしい社会である。自己愛性(性が入るのがこれまたポイントかも?)は、表面の優雅さや優しさとは正反対に冷酷さを秘めること(33頁)。評者も昨年はシナリオライトをある面でリアルに、あるいは妄想で描写してみたが、そうした冷酷さはリアルに戻った時に認識された。やはり、精神病理は社会病理の一端であろう。個人と社会。2013/12/10

ステビア

5
何でもかんでも自己愛で片付けていいの?迸るトンデモ本臭。フェアチャイルドとゴーバンズを聞きながら流し読み。2014/02/03

806_shusaku

4
自己愛型社会とは一言でいえば自己愛の充足に最大限の価値を置く社会。そこで最も大切にされるのは自分自身である。共同体やコミュニティへの優先度は下がり、個人利益が強調される。自己愛は理想に向かって一途に努力する一面とすべてを無に帰すような短絡的な破壊性を持つが、どちらも自己中心的であり、そこに本当の他者は不在だ。自己愛型社会が進行すると伝統的な人とのつながりが破壊されるので留意が必要。勿論自分を大切に思う気持ちは大切だが、それは周囲の人や共同体を軽んじてもいいという訳ではない。要はバランスが大事なのだ。 2016/08/20

okaching

3
卑下の自己愛という概念がしっくり来る。なんか引っかかるが性格傾向が掴めなかった人がこの概念でしっくり来た。自己愛型社会が見方としてあり得るのかは知識のない自分には判断できない。特殊なオランダ国民についてはよくわかった。2016/04/15

石橋

3
「自己愛性人格障害」とこの著者のいう「自己愛」は別物だと思う。そもそも「自己愛型社会」ってどういう定義なのか読んでいてもよくわからない。「利己的社会」をわざと煽って言い換えているのだとしたら、逆に「利己的」でない社会はどんな社会たり得るのか教えて欲しい。自分の論理に当てはまるところだけを都合良く書いているようにしか読めなかった。それにアメリカ社会を異常なまでにとことん貶しているところ、ちょっと感情的過ぎて見苦しい。2012/07/31

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