内容説明
かつて文明の十字路といわれた美しい国が、なぜイスラム原理主義が勢力をふるう、国際テロリストの拠点となったのか。複雑な民族間の紛争、周辺国の思惑など、悲劇のアフガニスタン現代史を検証し、新たな秩序と平和を展望する。グレートゲームに翻弄された、アフガン四半世紀の真実。
目次
第1章 アフガニスタンの土地と人びと
第2章 ソ連侵攻とアフガン・ゲリラの台頭
第3章 イスラム原理主義とタリバン支配
第4章 国際テロリストとアフガニスタン
第5章 九・一一事件と周辺国の思惑
第6章 アフガニスタンの新たな秩序
著者等紹介
遠藤義雄[エンドウヨシオ]
1948年福島県生まれ。拓殖大学政経学部経済学科卒業。79年よりカブール大学(ペルシャ語)、80~83年にペシャワール大学(イスラム史)へ留学。84年より拓殖大学海外事情研究所に勤務、現在同研究所教授(南西アジア地域研究専攻)
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感想・レビュー
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富士さん
1
再読。アフガニスタンの現代史というマイナーな歴史が日本語の新書でも読めるというのもウサマ・ビン・ラーディンのおかげなんだろうなという皮肉が、本書のテーマでもあったりします。王国前史やソ連撤退後のような谷間の部分も一貫した文脈の中で語られているというだけでも価値ある一冊でした。何だかアフガニスタンという国の存在自体がグレートゲームの客体から生まれたようにも見えるのか中央アジアという地域の特性を思わせて興味深く、それを”だらしない”という農耕民的物差しで測らず、愛おしさを持って語る著者の視点がいい感じでした。2017/03/21
おとや
0
ソ連邦の軍事介入から、カルザイ暫定政権成立までのアフガニスタンの歩みを、それ以前の歴史から解き始めて分かりやすく説明してくれる良書。イランの周辺地域を理解するために手を伸ばしてみた。にしても、著者のカブール大学留学ってすごい経歴である。下の方が書かれてるような誤字は、特に気にならなかったけど、初版初刷で読んだんだけどな…… 本書では暫定政権成立でもって、未来に期待をもつ形で終わるのだけれど、現実ではまだまだ全土安定には遠い状況であるのはご存知の通りである。2015/05/29
まくらことば
0
電子書籍化する時に誤字修正しておいてください…。2014/04/03
可兒
0
2001年以降に出版されたアフガン本の共通点なのか、全体を追っているように見えてやはりタリバン重視。ラッバーニーやヘクマティヤールに、ある程度ページが割かれただけで感謝すべきか2009/12/08