出版社内容情報
橘孝三郎、東條英機、瀬島龍三、後藤田正晴……作品を描く過程で出会った人々。昭和史研究の第一人者はいかに時代と格闘してきたか。
内容説明
橘孝三郎、東條英機、瀬島龍三、後藤田正晴、田中角栄、秩父宮―。ノンフィクションを書き続ける中で出会った忘れ得ぬ人たち。昭和を見つめてきた作家は、いかにして時代と格闘したか。
目次
『死なう団事件』をめぐって
農本主義者・橘孝三郎との対話
月刊誌での原稿修業
リトマス試験紙としての東條英機
ある編集者との決別
昭和史を語るということ
田中角栄という鏡
瀬島龍三をめぐる真実
昭和の終わりと平成の始まり
人生の岐路に立つ
後藤田正晴との出会い
老いへの道を歩む
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年北海道生まれ。ノンフィクション作家、評論家。2004年、個人誌『昭和史講座』の刊行など一連の昭和史研究で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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おさむ
35
「右翼からみれば左翼。左翼からみれば右翼。思想でレッテルを貼る人間は皆、底が浅い」。こんなポリシーの保阪氏。自叙伝の後半はノンフィクション作家として東条英機、瀬島龍三、後藤田正晴らの詳伝を描く過程を描きます。「今の憲法は平和憲法ではなく、非軍事憲法。いかに平和憲法に向かって進めていくかの努力をやめて、護憲の旗しか降ることができなくなった」とする戦後左翼批判。「ひとたび目標を設定したらそこに達するのに短期間でエネルギーを効率よく集中する」とする日本社会論など思わず首肯する主張も多く、読みがいがありました。2017/03/30
讃壽鐵朗
4
事実は小説より奇なりの典型で、波瀾万丈の一文筆家の生活が実に興味を惹く。しかも家庭のことまでもある程度赤裸々に書いてあるのもいい。 正直に人生を生きてきた熱血漢と言うべきか。久しぶりに読み終えるのが勿体ない本に出会った。2019/11/24