東洋文庫<br> 夢酔独言他

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東洋文庫
夢酔独言他

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  • サイズ B40判/ページ数 197p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784582801385
  • NDC分類 289
  • Cコード C0123

出版社内容情報

小吉は海舟の父で,幕末の貧乏御家人のひとり。幕府の衰退期を奔放不羈に生きた小吉の生涯は泰平の化政時代が生みだした倦怠と虚無感をもたたえている。『平子龍先生遺事』を併録。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

chimako

76
勝小吉はご存知の通り勝海舟の父親である。結婚し子が生まれても出奔するは喧嘩はするは遊び呆けるは…で少しも腰を落ち着ける気持ちがなさそうである。豪放磊落自分勝手三昧。が、全く憎めない。それは自分にも厳しい一面がある事と子どもを心底可愛がる心根に由来すると思われる。例えば、野宿して谷へ落ち大ケガをしても「何ともない」と歩き続けたり、麟太郎が犬に噛まれた時は毎晩抱いて寝て快癒させたりする。めちゃくちゃなようで押さえるところは押さえる勘所の良さ。お金にも不自由しながらも何とかしてしまう世渡り。なかなか面白かった。2021/05/15

Ribes triste

8
めっちゃくちゃな親父さんの話です。勝海舟も霞んで見える破天荒ぶり。身内はさぞや大変だったであろうなと思いますが、ただの与太話で終らないのもいいのです。(多少は盛ってるだろうなとも思うのですが) 書いたものがこんなに面白いんだから、話をさせてもさぞや面白い人だったに違いないだろうなと思うのです。2016/02/29

Nekono

3
勝海舟の父、勝小吉の自伝。しかし、このお方、とんでもない人で、貧乏とはいえ旗本の家に生まれながら町人と生活を共にし、免許皆伝の剣術の腕を生かしながら、侠客のような日々を送ってます。やることなすこと型破りにして痛快。あげくに、座敷牢に三年放り込まれ、そこで、読み書きを覚えたというお方です。で、この自伝。くれぐれも自分のような生活を送るなよって後生に伝えるために書いたって本人が書いてますが、これだけ好きな事しておいてそりゃぁないと思うけどなぁ。幕末の日本、こういう人がいたかと思うとそれだけで感嘆します。2011/08/24

africo

1
勝海舟の親父、勝小吉の自伝?武勇伝?江戸末期の文章だが口語体で書かれているため、意外と普通に読める。若い時分からケタ違いにやりたい放題してきたオッサンの(多分)ホラ混じりの話がすごく魅力的。それに加え、本人は意識していないのだろうけど、天然のとぼけぶりも素晴らしい。例えば青年時に、4人で3,40人相手に喧嘩をして、相手方に何人も傷を負わせ町中が大騒ぎになった、みたいな話を「あんなひどひことはなかつたよ。」の一言で片付けるセンス!それで済ますんかい!とかツッコミながら読むと吉。2012/03/29

酒守 呑

0
痛快であった。たまに無性にこの男「小吉」に会いたくなる。この男の息子だからこその「勝海舟」があるのだと確信する。

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