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平凡社ライブラリー
ザッヘル=マゾッホの世界

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  • サイズ 文庫判/ページ数 347p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784582765182
  • NDC分類 940.28
  • Cコード C0398

内容説明

本書は、ただの評伝に見えて、じつは、乳母から警察機構の一員を経て、淫奔な人妻や女性解放論者や翻訳家、さらには性心理学者まで、作家をとりまいた文化の総体を、マゾッホという一作家の伝記に沿いながら甦らせようとした、壮大な文化研究の書である。

目次

幼年―ハンドシャ体験
少年―ゼノビア体験
学生―女王と女優
幻滅―アンナ・コトヴィッツ体験
待機―ファニー・ピストール体験
女の世界―マイヤーリンクの悲劇
醜の美学―ローゼンクランツ体験
仮装舞踏会―エミリー=アリス体験
契約―ワンダ体験
貴婦人修行―ザッヘル=マゾッホ体験
空想の王子―ルートヴィヒ二世体験
愛の奴隷―侍女フィリス体験
最後のギリシア人―アルマン体験
晩年―フルダ・マイスター体験
死後―クラフト=エビング体験

著者等紹介

種村季弘[タネムラスエヒロ]
1933年、東京・池袋生まれ。57年、東京大学文学部独文科卒業。ルネ・ホッケやザッヘル=マゾッホなどの精確無比な名訳で知られる一方、アカデミズムの枠を大きく超える特異な評論・エッセイを次々と発表。『ビンゲンのヒルデガルトの世界』で芸術選奨文部大臣賞・斎藤緑雨賞、『種村季弘のネオ・ラビリントス』で泉鏡花文学賞を受賞。2004年8月29日、神奈川・湯河原で永眠
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

amanon

1
嗜虐的な立場にいる方が、実は精神的には優位に立っている…よく言われていることはあるが、それが現実に生きた人間の生涯からその事実が克明に判明されていく様を目の当たりにすると、さすがに重みが違う。また、西欧と東欧との男女観の違いも興味深かった。このあたり東欧の文化に造詣が深い佐藤優氏の意見を聞きたいものだが。それからマゾッホ、ワンダの二人を巡る幾多のスキャンダラスなエピソードは、ほぼ同時時代を生きたバルザックの作品を思わせた。そして、そうした幾多の困難を経たマゾッホの晩年の記述が希薄だったのが個人的に残念。2012/04/21

miracolo

0
「マゾヒストの世界体験とは言語体験としての世界体験」 言語を使っての相手への教育、自分がそういう風に扱われる様に仕向けている…なるほど。2015/03/27

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