フローラ逍遙

フローラ逍遙

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  • サイズ A5判/ページ数 224p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784582512144
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0045

目次

水仙―ナルキッソスの自家中毒
菫―ギリシアの花冠
ライラック―群がる星のように
牡丹―花妖のエロティシズム
薔薇―ペルシアの詩人なればこそ
紫陽花―オルタンスという女
向日葵―太陽を追って回転する花
クロッカス―美少年と球根
菊―心あてに折らばや折らむ
蘭―悪魔的なイメージ ほか

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

135
美しい装丁にひとめ惚れして買って以来、澁澤氏の著書の中で実は一番好きな函入り本。美しいのは装丁だけでなく、椿、桜、チューリップ、苧環、向日葵、薔薇、百合、合歓など比較的身近な25種類の花について書かれたエッセイはもちろん、挿絵もまた素晴らしい。ボタニカルアートの花々はどうしてこんなにも郷愁を誘うんだろう。いつ読み返しても新鮮。わりと軽めな語り口なので一気に読んでしまえるのだが、書いてある内容は渋澤氏の幅広い知識と見解が凝縮されており、好奇心をくすぐられる。1つずつ寝る前に丁寧に味わいたい1冊だ。2014/02/05

アン

91
25種の花たちに纏わる『博物誌』や詩歌などを引用し、澁澤さんの考察や思い出を添えたエッセイ。四季折々の花が咲く北鎌倉のご自宅のお庭が目に浮かび、紹介される植物の図版も美しく趣きのある素敵な一冊。水仙、椿、すみれ、桜、百合など、日本人が親しみやすい花が多く、懐かしさを覚え、儚く妖しい不思議なフローラの世界へと。ひっそりと清楚に、濃密な芳香を放ち妖艶に、可憐な妖精のように気まぐれに。神秘に包まれ、私達の心を癒し魅了する花の揺らめく旅。しっとりと咲く明月院の青色に染まる紫陽花に想いを馳せて。 2020/06/28

市太郎

77
綺麗でした。花にはそんなに興味がなかったのですが好きになりました。図版が写真で見るよりも親しみがあるようで味があってより美しく感じました。澁澤氏のエッセイも楽しめました。普通の図鑑では、なかなか味わえないような感覚が良かったです。自宅保管して時々眺めたいがハードカバーは絶版のようで至極残念。本好きの人には花束のかわりに贈物にするのも良いかも。少なくとも私がもらったら泣いて喜びます。誰か私に下さい。個人的にはスッパイ実が好きな「梅」や梅雨時に娘と数えて歩いた楽しい思い出があった「紫陽花」等が気に入りました。2014/05/30

Y

54
花は古今東西の芸術作品に顔をのぞかせてきた。花の何も語らず意味ありげに佇んでいる様が、芸術家の想像力をかき立たせるのか。花に負けず劣らず日本語も美しいんだと思わされるほどの筆者の卓抜した言語感覚に惚れぼれとした。当然のことながら花には人間のようなたくらみがなく無邪気な印象があるけれど、それでもそのやわらかな描線はどことなく官能的で、数多くの花が美女にたとえられてきたのも頷ける。そんな花のエロティックな面に焦点をあてた文章が揃っている。個人的に「紫陽花」「牡丹」がお気に入り。全部家に植えてある花ばかりだ。2014/07/09

Mina

53
澁澤氏が書物の中で出会った、あるいは記憶の中にゆらめく、25種の花々のエッセイと素晴らしい図版。とにかく絵が美しい。繊細で、どこか儚げで、ふわりと微かな香りが漂ってくるよう。そして花にまつわるエッセイも大変興味深く、読んでいるうちに どの花もとても幻想的で艶っぽく思えてくるので不思議です。当然 登場する書物は読みたくなりました。中でも悪魔的な『蘭』、花妖『牡丹』、黄金に輝く『金雀児(エニシダ)』の章は魅力的でした。絵は私に癒しを与え、文章は私に刺激を与えてくれました。2014/10/14

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