出版社内容情報
大正期から戦後までの旧軽井沢を、昔のアルバム写真とエッセイでつづる。樅の木の下のパーティ、テニスコートの語らい、よき頃の避暑地の想い出がよみがえる。
1 大正期の軽井沢
2 樅の木の下のパーティ
3 町で
4 テニス・プレーヤーたち
5 心の青あざ
6 疎開 厳寒の軽井沢
7 平和再び
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三葉海
3
大正時代から始まる、軽井沢にて展開される、上流階級の青春。あまりにも現代とかけ離れていて、夢のような印象なのだけど、ひたすら羨ましくなった。子供たちに英語を習わせることになって、実際にイギリス人家庭教師を雇う親。道ですれ違うのは、貴族や皇族の子女。軽井沢にて集う人たちで、音楽などの舞台を披露したり、とにかく幸せな憧憬が書き尽くされているわけです。ただその反面、彼女たちに仕える庶民の気持ちを思わせるような表現もあったし、戦争に向かうころは文章も重くなってきた。そこは悲しかった。
うここ
2
こういう物語は今の時代、日本だとどこら辺で展開されているものなのだろう。2016/03/02
sohara
2
軽井沢本。写真のサイズが小さすぎるのが残念だが、読み物として面白い上に、戦前日本に存在した上流階級の雰囲気を知る資料としては一級品だと思う。ダウントン・アビー日本版と言えようか。第一次大戦の勝利国だった日本における富裕層の生活ぶりがしのばれる。著者の兄が、フランス留学から帰国後に招集されて通訳担当になったとの記述に、目からウロコが落ちる心地。当然と言えば当然ながら、当時の外国語堪能者の多くが上流階級の子弟だった!有島武郎の長男で、二枚目俳優だった故森雅之が「有島のマーちゃん」と呼ばれているのも楽しい。2015/08/23
あきこ
2
日本の戦前の貴族達の暮らしがどのようなものであったか良く分る。すごいよ。このような豊かな人たちが文化や国際的な交流を果たす一面も大切だが、その貧富の差は相当なものだ。歴史上の人物のプライベートな姿がうかがえるところも楽しかった。2012/08/27
もね
0
知人に勧められて読んだ本。 作者はフランソワーズ・サガンの訳を多くした方だったので興味を持ったが、内容はしごく退屈。2013/02/18