内容説明
厳冬のたった一か月間、ここザンスカールには、世界でもまれに見る、自然と人間が織り成すドラマが展開されます。冬の間だけ、忽然と姿を現す道があります。しかしそれは、世界中のどんな地図にも記されていません。なぜならそれは、幻のように現れては消えるからです。その名を「氷の回廊」と言います。それはまるで、時空間を超えた、とても不思議な存在なのです。
目次
天空の村へ
ヤクの民
麦の宮殿
リトル・ラマ
峠を越えて
伝説の旅人
ノートブック
旅立ち
氷の回廊
洞窟
雪豹〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
莉野
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『インカの末裔と暮らす』と似てる。ロブサン一家を中心にヒマラヤ西端のリンシェ村の様子を画く。ラマ・ドルジェの様子や氷の回廊を行くタムチョスの成長に嬉しくなった。冬の限られた時期に出来る『氷の回廊』その旅は決して楽ではなく常に困難が待ち構えている。それは何百年もの間脈々と続けられた旅であり、成長の機会であり、手段である。王の伝説がある洞窟も印象に残ったが、最後の抜ける様に蒼い氷の床が印象的。これから先もこの回廊を人々は通り続けるのだろう。「さぁ、仕事は終わった。村へ帰ろう。みんなが待ってるリンシェへ!」2009/03/14